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防災を考えるための一冊「新・いのちを守る気象情報」

気象災害を学ぼう 防災お役立ち情報
気象災害を学ぼう

こんにちは、管理人のアカツキです。
今回のお役立ち防災情報は、防災書籍特集です。

少しずつですが防災について勉強しようと思い、実際に書籍を購入して読んで自分なりの書評を始めています。今まで3冊の本について見てきました。

そして今回の防災書籍は「新・いのちを守る気象情報」を取り上げてみたいと思います。

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新・いのちを守る気象情報

(書籍情報)

  • 著者 斉田季実治(さいた・きみはる)
  • 定価 968円(税込み)
  • 出版社 NHK出版
  • ISBNコード 978-4-14-088654-0
  • 発売日 2021年(令和3年)5月11日

著者の斉田さんは、NHKニュース(特に21時台、今年は19時台でも度々拝見することがあります)でおなじみの気象予報士です。

大学在学中に気象予報士の資格を取り、テレビ局に勤めた後に民間の気象会社に就職され、それからNHKの気象キャスターを務め、現在に至ります。

それらの仕事をしていく中で東日本大震災を経験し、災害を未然に防ぐ「気象の専門家」として何ができるのかを考え、気象についての本を書かれました。
それが前著「いのちを守る気象情報」です。この本の出版は2013年(平成25年)のことでした。

今回取り上げる「新・いのちを守る気象情報」は今年2021年(令和3年)の発売であり、前著から8年の時間が流れています。

本書はその点を踏まえ、最新の事例や気象庁の取り組みなども含めて「気象」について分かりやすく解説をされています。目次構成は次の通りです。

(目次)

  • はじめに
  • 第1章 「大雨」による大規模災害に備える
  • 第2章 「台風」の災害リスクをどう減らすのか
  • 第3章 「雷」の常識は間違いだらけ
  • 第4章 「竜巻」発生の見極め方
  • 第5章 「猛暑」に負けない「熱中症」対策
  • 第6章 「大雪」の災害は”慣れ”から起こる
  • 第7章 「地震」頻発時代をどう生き抜くか
  • 第8章 「火山」の噴火予知はどこまで可能か
  • 補章 最新情報の集め方
  • おわりに

それでは本書のポイントについて見ていきましょう。

気象防災情報の読み解き方を学べる

本書は目次にもある通り、大きく八つの気象情報(災害)について解説をされています。

これらの情報は日々私たちに様々な形で届けられています。ある時はテレビやラジオニュースのお天気コーナーで、ある時はスマホアプリの通知で、場合によっては町の防災行政無線でも流れてきます。

ただ、それらの「情報」を受け取るだけではいのちを守ることはできないーそれが斉田さんの考えです。そして情報を見る側にもある程度の「知識」が必要であり、自分だけは大丈夫であるという「意識」を変えることが大事だと述べられています。

そのようなことを踏まえて本書では気象情報を分かりやすく、平易な言葉で解説をされています。また、災害の事例も示されていますので、その災害によってどんなことが起こるのかということがイメージしやすくなっています。

ご自身の体験も入っています

本書には斉田さんご自身の体験談も盛り込まれています。真夏のある夜に熱中症になった経験があるそうで、そのことがかなり克明に描かれています。

気象キャスターで熱中症になったのは自分だけかも知れないと述べられておりますが、身をもってそれを知ることは、むしろ気象を伝える側として大きな説得力を持つのではないかと私は思います。

そして毎年どれくらいの方が熱中症で亡くなっているか、というデータも示されていたのですがその数字が特に近年増加傾向にあることに驚きました。

熱中症を新たな気象災害として認識することの必要性を斉田さんは訴えています。

一年どの季節でも役に立つ情報

本書で取り上げられている気象災害は、私たちが一年を過ごす中である季節に集中して、または一年中見舞われるかもしれない災害です。

  •  大雨
  •  大雨、台風、熱中症
  •  大雨、台風、熱中症
  •  大雪
  • 一年 雷、竜巻、地震、火山

たとえば大雪は冬特有の災害(雪害)になります。また、地震や火山の噴火などは季節を問わず発生する可能性があります。

このように、本一冊に一年どの季節でも役に立つ情報が盛り込まれているので、事前にその災害に対する備えができる助けになると思います。

いのちを守る情報が盛り沢山

各章ではそれぞれ気象災害のあらましと、その事例、そしてその仕組みが述べられています。
最後に行動に移すための要点がチェックという形でまとめられており、その災害に対して知識を得た上でどう行動するのかを学べます。

そして気象情報の仕組み解説は、気象キャスターの本領が発揮されており、大変分かりやすく説明されています。ある程度までは私たちもそれなりに知っている事柄が多いと思いますが、それらをさらに補うような解説が多数あってよりその現象の理解が進むと思います。

たとえば、雷の章では電線の真下など、屋外で見舞われた時により安全が見込まれる保護範囲と呼ばれる場所の説明があります。合わせて木の真下に避難することが危険であることなどを述べられています。

私は雷の時は木から少し離れれば良い、くらいにしか思っていなかったので、外出の際にはいつもより雲の様子や、電柱や電線などを気にしてみるようになりました。

竜巻は、あまり大きく取り上げられることはないかも知れませんが、非常に怖い気象災害であることを本書から学び取れると思います。

これらを含め、「いのちを守る情報」が本書には詰め込まれている、そう感じました。

まとめです

今回の防災お役立ち情報は斉田季実治さんの「新・いのちを守る気象情報」を取り上げました。

気象情報は、私たちが毎日触れる情報です。そしてその情報を分かりやすく伝えてくれるのが気象予報士(気象キャスター)の方々です。ニュース番組などでは必ず天気情報のコーナーがありますが、その時間は3分程度でありまた大体が番組の終盤です。

その時間で全てを伝えることは難しいですが、私は気象予報が今後さらに大きな注目を浴びてくるのではないか、そんな気がしています。

その理由の一つとして、近年発生した自然災害が今までよりも大きな規模で起こり、被害をもたらしていることが言えるでしょう。その原因には地球温暖化の影響が考えられます。

大事なことはそのような災害をもたらす自然現象に対して、私たちがより関心を持ち、より自ら情報を取りに行って判断をして行動することが求められてきているということだと思います。そのような防災へのアクションを促すことを、今後気象予報士の方々が担っていくのではないでしょうか。

ところで2021年(令和3年)前期NHKの朝ドラ「おかえりモネ」は、ヒロインが気象予報士として活躍する物語でした。ちなみに斉田さんはドラマの気象考証として、また一部シーンには役者としても参加されているとのこと。

このドラマによる影響なのか、8/22に行われた令和3年度第一回(通算第56回)気象予報士試験の申請者が4,117名だったとのこと。申請者が4,000名を超えたのは第40回以来8年ぶりということです。

実際に受験されたのはそのうち約7割の方だったようですが、気象に関心を持つ方が増えているのかも知れません。私も気象予報士には興味がありますので、いつかチャレンジしてみたいと思っています。

最近は大きな地震があり、日本も含め世界中で火山噴火のニュースも伝えられています。自然現象を知ることも防災の一つととらえ、日々を過ごしていきましょう。

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