こんにちは、管理人のアカツキです。今回の防災お役立ち情報は「防災士」についてです。
実は10月中旬に防災士資格研修講座(兼認定試験)を受講し、先日合格通知を頂きました。引き続いて登録申請も行われているはずですので、近々私も防災士の一人として認定を受けることとなるでしょう。
ところで防災士とは一体どのような人を指すのでしょうか。防災士とは民間資格の一つであり、
「自助、共助、協働を原則として、社会の様々な場で防災力を高める活動が期待され、そのための十分な意識と一定の知識・技能を習得したことを日本防災士機構が認証した人」
のことを指します。ここで日本防災士機構とは認定特定非営利法人(認定NPO法人)日本防災士機構(JBO:Japan Bousaisi Organization、以下JBOとも表記します)であり、防災士制度を提唱しその認証・養成業務を行っています。
この防災士制度は平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災がきっかけとなって制度作りが始まりました。そして平成15年(2003年)に第一回の資格取得試験が行われ、216名の方々が防災士として第1号認証を受けました。
近年、台風や地震といった自然災害による社会への影響が目に見えて大きなものになっています。そのような背景もあって防災士の受験者は年々増え続け、今年令和6年(2024年)10月末時点で認証登録者は298,682名となりました。大変多くの方々が防災についての意識を高めていき、資格取得に踏み切ったのであろうことが読み取れます。
防災士の登録者は9月末時点では296,214名でしたので先月比2,500人近く増加しています。同じようなペースが続くとすれば、この記事が出る頃、防災士は30万人に達すると見て良いでしょう。
さて来年令和7年(2025年)は、阪神・淡路大震災から30年の年となります。防災士制度の根底に震災の教訓があること、そして防災士の認証登録者が30万人に達する見込みがあること。両者の一つの大きな節目としておそらくは各メディアなどで特集が組まれたりするかと思います。
JBOが発行しているパンフレット(PDF)の巻末にはJBO会長がメッセージを寄稿しており「防災士50万人時代」の文言が見られます。今後さらに防災士を目指す方が増えてくるのではないでしょうか。
私もサイト立ち上げを契機に自ずと防災士について知ることとなりました。以来受験の機会を伺っている状況でしたが、今回それがようやく叶いました。
一方で防災士の取得に必須である研修の受講、そして認定試験について事前に色々調べていましたが、試験については問題が非公開(試験後、解答用紙とともに提出)になっていることもあったりと、もう少し防災士を目指すことに必要な情報があっても良いかなと感じていました。
そのようなこともあり、講習や試験について実際に体験したことを私の視点からになりますが記事に残し、今後防災士を目指す方々へ一つでも有益なものになって欲しいと考えました。
そこで防災士への道のりについて①前編:防災士資格の概要と研修風景について、②後編:資格取得試験について、と論点を二つに分けて記事を発信していきたいと思います。本記事では前編として防災士の概要と実際の研修についてお送りします。
防災士認証への3ステップとは
救命講習と研修受講と試験合格が必要
まず防災士になるためには何が必要なのか?を確認していきましょう。JBOによれば、資格取得について次の3ステップを課しています。
この図に示す所の1、2、3がその3ステップになるのですが、要は「研修を受ける、試験を受けて合格する、救命講習を受ける」ことが必要です。
では研修はどのように受ければ良いのかということですが、JBOが認証した研修機関の中から選び、受講することになっています。基本的に研修が終了した後、ただちに資格取得試験が行われます。ここまでが3ステップのうちの2ステップということですね。
そして最後の3ステップ目は、地域の消防署などが実施する救命講習を受講して修了証を取得すること。これによって防災士資格への扉が開かれます。
ところで救命講習は3ステップ目になっていますが、必ずしもこの順番通りにステップを踏む必要はないことに注意してください。このあたりの扱いは研修機関によって分かれている様です。
たとえば、防災士制度発足後、日本で初めての防災士研修講座を実施して防災士第1号を養成した株式会社防災士研修センターにおいては次のような記述が見られます。
記述にありますように、受講時期について試験の前後を問わない旨示されています。また講習の日程に救命講習が組み込まれている所も見受けられました。
ちなみに私が受講した研修機関では、研修日までに救命講習を受講して修了証を取得すること、そしてその写しを研修当日受付に提出することとなっていました。ただ研修当日の案内において、未受講であれば取得後修了証を送付して下さい、という文言がありました。
ですので試験の前後はあまり関係なく、事前に修了していれば試験合格後ただちに登録申請が出来る、といった資格の取得時期に関係する部分が大きいのでしょう。
ちなみに登録申請など事務手続きは研修機関側で全て行ってくれる所もある様です。今回の研修機関についてもその方式で、登録に要する諸費用なども受講料に含まれていました。
また研修機関同様、救急救命講習についてもJBOが防災士認証要件として認めているもの(一覧表、PDF)になります。基本的には普通救命講習Ⅰと同等のものであり、心肺蘇生法とAEDを含むものになります(有効期間内であることなども条件です)。
例えば自動車運転免許を取得する際、応急救護処置講習がカリキュラムに組み込まれていることと思いますが、認証要件をクリアしています(ただし新規取得後5年以内限定)。
救命講習は多くの機関などが実施しており、種類も多いです。資格取得を目指される方は必ずJBOが認証している講習一覧に目を通して確認することが必要です。また受講する研修機関の案内もしっかり読み込むことが大事です。
研修機関を選ぶ
防災士の資格取得要件として、防災士研修の受講が必要であることを述べました。ですのであなたが資格取得を決めた後に行うことは、研修機関の選定になるかと思います。JBOが認証した研修機関を再掲します。
一覧をご覧いただくと、研修機関は
- 都道府県
- 市区町村等
- 大学等教育機関
- 民間法人
と官民両方に渡って存在することが分かります。私は北海道在住ですので、まずは自治体としての北海道が研修を実施していないかを調べていきました。
しかし、リストには北海道の名前も道の市区町村名も確認することができませんでした。そのような中で候補として見出したのが
- 札幌商工会議所付属専門学校(大学等教育機関:No.45)
- 株式会社 防災士研修センター(民間法人:No.1)
でした。それぞれ調べてみると前者は札幌市で年間に二回ほど、後者は主に札幌を含む全国の大都市を中心に開催実績があり、それ以外の市区町村でも多くの研修講座を実施していました。
そこで日程や交通アクセス、受講料などを加味していった結果、札幌商工会議所付属専門学校(略称CA、Chamber Academyの意味でChamberはこの場合、(商工)会議所を意味し、その付属学校ということでこのような略称になっていると推察します)で講座を受講することに決定しました。
そうなれば次は申し込みですが、手元の記録では10月開講であるにも関わらず、6月中に申し込みを行っていました。正確な日にちは記憶していませんが、学校から案内のプレスリリースが出ていることを確認してかなり早く申し込みをしたと記憶しています。
これは防災士研修センターの研修日程を見ていて感じていたことなのですが、満席になって受付終了になるのが研修日の二か月前あたりと非常に早くなっている傾向が見られました。
おそらくはセンターが主に人口の多い地域で開催していること、企業などの団体単位で申請している可能性があること、防災士に興味を持っている人が多くなっていることなどが関係しているのだと思います。
戻りましてCAにおいては、過去の開催履歴から研修は2~3月、9~10月に行われており、開講に関する案内はそれよりも三か月くらい前に出ているようでした。
北海道内では実質先に挙げた二機関しか研修を実施していないこともあり、北海道中の資格取得希望者で集中しそう、だとしたら受付終了も早まるのではないかと考え、6月に入ってからCAのサイトを良く訪れて確認していたことを思い出します。その読み(?)が当たったのか、程なくプレスリリースが出ていることを見つけ、無事に申し込みを行うことができました。
研修前に三つの教材が届きます
こうして研修申し込みを行い、その後は特に連絡がなく月日が過ぎていったのですが、研修約一ヶ月前の9月初旬に案内メールが届きました。申込人数が規定に達したので研修講座を開講する、というものでした。
そして案内には資料一式を送付するとも記載されていました。それから三日も経過しないうちに郵便物が届きました。内容物は次の通りです。
- 書類送付状
- 開講案内状
- 募集要項
- 防災士認証登録申請書
- 救急救命講習修了証(のコピーを貼り付ける用紙)
- 履修確認レポート(問題、解答用紙)
- 防災士教本(2024年度版)
- オリジナル模擬問題集(問題、解答)
改めて見直すとかなりの分量でしたね。レターパックで届いたのですが、パックにみっちりと同封されていたのを思い出します。
書類一式を改めてから送付状や募集要項に目を通した所、資料到着後に受講料を支払って欲しいということでした。数日後、受講料を支払い、防災士研修への正式なエントリーが完了しました。
ただ、先方から入金確認に関する連絡がありませんでしたので、本当に着金して申し込みが完結しているのか、研修日直前に最終案内メールが届くまで一抹の不安が残っていたのは事実です。
お金のやり取りですので、確かに受領を確認し、申し込みが完了したとのメールを出していただければより安心ができると感じました。
書類一式には、防災士の勉強を進めて行く上で重要な三つの教材が含まれていました。それぞれの教材について説明していきますが、この教材構成は私が受講したCAの場合であり、他の研修機関のそれとは必ずしも一致しないと思います。
ただすぐ後に述べますが、防災士を養成するカリキュラムがJBOで決められていますから際立った違いは無いと考えます。ですので是非参考にしてみて下さい。
防災士教本:防災士の教科書
まずは防災士教本からです。画像では少し分かりにくいかも知れませんが、かなり分厚い本です。ここに防災士が備えるべき知識がまとめられています。その章立てですが、まず防災士養成カリキュラムというものが定められています。
表の左側に六つの科目が並んでおり、これらが防災士が学ぶべき科目です。次に右側です。内容事例とありますが、各科目について具体的にどのようなことを学ぶのかを端的に示したものになります。
次に、養成カリキュラムに則る形で教本の章立てや履修講目が構成されています。
カリキュラムと比べてみると、六つの科目が教本では章にそのまま対応し、内容事例を盛り込んだ内容が第〇〇講としてその章を構成しています。加えて補足として補講も用意されています。
本講分が21、補講が4つ収録されているので、合計25講目が実際に防災士が学ぶ内容になります。ページ数を数えると400ページ近くの分量があり、講目数からもその分厚さが伝わって来そうですね。
こちらの本はJBOの公式サイトでも販売されていますが、購入できるのは防災士の方に限られているようです(購入手続き時に防災士番号を求められます)。ちなみに価格は税込みで4,000円です。
先の登録申請費用と同様、教本代は研修申し込みの受講料に含まれているところが多いのではないかと思います。私が今回受講したCAでは含まれていました。このような点も受講前に確認されると良いかなと思います。
履修確認レポート(問題と解答)
続いてレポート用紙です。レポートと言っても何か小論文的なものを記述するわけではありません。レポートにはあらかじめ防災士教本の各章におけるそれぞれの要点が列挙されており、その一部が虫食いになっています。そこで解答用紙に空欄にふさわしい文章などを書いていくスタイルになっています。
上の画像は私が実際に取り組んだレポートの一部です。このようなイメージです。空欄部分は短いものもあれば長いものもあり、その解答は数字から用語、文章まで様々であることがよく分かります。
しかし解答そのものは教本の文言そのままです。しっかりと教本を確認しながら取り組めば難しくはありません。
完成したレポートは、研修日当日に提出することになっています。未提出の状態で研修を受講することはできません。完成のためには教本を読み込む必要があります。つまり防災士取得のためには研修を受講するだけでは足りず、事前に自習が必要となることになります。
この点は研修案内においても注意されている部分かと思います。CAの案内には、研修は資格対策講座ではない、ということが記されていました。
レポートの作成は、どの研修機関でも共通になっているかと思います。ただ他の大学などが実施している講座では、独自の講義を加えて実施しているものも見受けられました。そのような機関でもレポート提出を必須としているかは不明です。
オリジナル問題集(問題と解答)
こちらはCAの研修担当の方々が独自に作成された問題集です。2021年度、2022年度の防災士教本から作成されたということでした。この内容がそのまま本試験に出る訳ではありませんが、問題の形式は本試験と同じ作りでした。そこで勉強の進め方として
- 防災士教本を読む
- レポートを作成する
- 問題集に取り組む
を繰り返していくこととしました。今回は一か月弱という期間でやや短い感じがしますが、1日に1講ずつ勉強していけば研修日までに間に合うような教材構成であると捉えて取り組んでいきました。
ちなみにこの問題集、各章の要点をよく網羅していて大変勉強になり、本試験の問題にも思い出す限り半分以上に関連した出題がありました。合格できたのはこの教材に依るところが大きかったのかも知れません。
こうして教材が出揃い、その分量の多さに驚きながらもまずは本を開けなければ始まらない、と教本を読み始めました。結果、教本、レポート、問題集と勉強に要した時間の合計は、記録によれば大体21時間でした。
CAの案内では履修確認レポートの作成におよそ25時間ほど掛かるとされていました。根拠として、防災士教本の構成が本編21章と補講4講の合計25章から成り、それぞれについて学習時間が1時間程度と想定しているからです。
実際には講目の長さに幅があるため、30分ほどで終わるところもありましたので教本とレポートのみの勉強時間は16時間ほどでした。残りの5時間が問題集ということになりますが、外で勉強していたりしたこともあり、そのような時は記録を取っていませんでしたので実際はもう何時間か上乗せされているかと思います。
そのような訳で、研修の一ヶ月から三週間前には書類一式が送付されて来ます。したがって研修日から逆算してほぼ1日〜2日に1講とその講のレポートを仕上げ、試験対策も行っていく、といったスケジュールを組んで勉強に取り組んでいく必要があるでしょう。
宿の確保は早めに
ここまで研修の申し込みや事前学習について述べてきました。しかし、もし研修会場が遠地にある場合は宿泊施設の確保も早めにされることをおすすめします。
資料が届いて勉強を始めた傍ら、当日の行動計画も次第に考え始めました。私は札幌市在住ではなく、また札幌市までそれなりに離れた場所に住んでいますから前日入りが必須となります。そこで宿泊施設を調べることにしました。
ここで大きな問題が発生しました。それが宿泊代です。とにかくべらぼうに高いのです。ざっくり価格の相場を知ろうと調べてみると、一泊数万円、場合によってはそれ以上になるホテルが続出しました。価格を見て思わず固まってしまいました。
この要因を考えるに、まず研修は土曜日と日曜日の二日間、つまり休日に行われることが言えるかと思います。札幌市は人口が200万人に迫る多さで言わずと知れた北海道の中心都市でもあり、観光地としての魅力も備えています。
そのためインバウンド需要が回復基調にあり訪れる外国人客が増加しています。そこに休日需要も重なったため、ホテル側も足元を見た需要に応じた価格設定をしたのだろうと見ています。
ホテル代の高騰は少し前からニュースなどでも目にするようになりましたが、私もその様を体験した形です。平日ははっきりと安くなりますから、もっと国内客を大事にしてほしいとも思ってしまいますが・・・。
しかしそのような価格でも利用者は多いようです。宿泊の約一か月前に空室を探したのですが、研修地周辺だけでなく、札幌一帯のホテルのほとんどで予約が埋まっているような状況でした。
また私の場合、金曜日から日曜日まで二泊三日で考えていましたが、金曜日と日曜日は空いていても、間の土曜日が満室になって予約ができないといったホテルも相当数ありました。そのような中で安めの価格が提示されるものもありましたが、そういった施設はカプセルホテル的なものが多かったです。
ですのでホテル探索から苦労することになってしまいましたが、最終的にある程度価格の上昇を受け入れた上で予約をすることとなりました。結果としては正直予算オーバーでしたが、研修最寄り地下鉄駅の路線沿線から徒歩10分圏内の穴場的なホテルを予約できました。
偶然おすすめとしてサジェストされたホテルですが、サイトの紹介文がかなり魅力的で、ここは良いかも・・・と直感し予約を入れました。実際泊まってみるとほぼ期待通りで個人的にかなり気に入りました。札幌に泊まる機会があるならばまた選びたいと思います。思い切った甲斐が少しでもあって良かったです。
ちなみに研修日の札幌市内には、大きなキャリーケースを引っ張った観光客と思わしき方々が至るところに見受けられました。過大な観光客の来日によって観光公害、オーバーツーリズムということが言われるようになりましたが、今後はさらに具現化してくる様相を呈するのではないか、そのようなことを感じました。
また、防災の観点から見ても大きな地震に慣れていない観光客が旅先で地震災害を被った場合、適切な避難が可能であるか、そして避難所にたどり着いたとしても言葉が通じず支障が生じるのではないか、といった問題も考えていかなければならないのでは、とも思いました。
いずれにせよ、研修会場が近場なら良いのですが、宿泊せざるを得ない状況の方もかなりおられるかと思います。特に今回行動計画を立てていて感じたのですが、何を置いても宿泊施設の予約はなるべく早く、そして予算を多めに見られた方がよろしいかと思います。
実際の研修風景(2024.10.12-13、北海道札幌市)
ここまで防災士を取得するために必要な要件や、受講に際して事前に送られてくる教材などを見てきました。ここからは実際に私が参加した防災士研修講座について、どのような講義等が行われたのかを述べていきたいと思います。
もちろん他の機関による研修とは内容が異なることもあると思いますが、大まかな雰囲気を掴んで頂けるのではないでしょうか。また今後CA開催の研修受講を考えておられる方には有益な情報になることを願っています。
まずは会場入り
資料到着から自習を開始して約一か月。研修当日を迎えました。無事に前日入りも果たし、一日目の行動開始です。会場となる札幌商工会議所付属専門学校(略称CA)の最寄り駅は札幌市営地下鉄東西線・南郷(なんごう)18丁目駅です。
ホテルを同じ東西線沿いに押さえていましたので、乗り換えがないのが非常に楽でした。また土日の午前中ということで通勤ラッシュに巻き込まれることもありませんでした。札幌には一時期住んでいた時期がありましたが、やはり地下鉄は早く便利です。
地図やストリートビューで事前確認はしていたものの、実際の駅からCAまでの距離感は歩いてみないと分かりません。駅には受付開始時刻である8:30頃に着きました。ここからCAまでは徒歩5分との案内でしたが、実際に歩いてみた所、10分くらいで到着しました。
少し時間は掛かりましたがそれは初日ということもあって少し探りを入れながら歩いたことと、写真を撮っていたことがあると思います。また道も駅からある程度歩くとCAの建物が見えて目印になりますので、大きく迷うことは無いと思います。
研修会場はアリーナ(体育館)に設営されており、大きなスクリーンと講師席、そして対面に学習机を二つ付けた席が50席ほど用意されていました。体育館ということで広く、全ての机を入れても前半分くらいに収まり、前後左右との距離感も適度で開放的な感じでした。
受付で名前を確認し、レポート等を提出した後は各自空いている座席に座ります。指定はありませんが、以後二日間同じ場所で研修を受けるやり方でした。
一点注意することとして、アリーナは土足禁止になっています。ですので上履きを持ってくるよう研修直前の案内メールに記述がありました。もし用意できなくてもスリッパが準備されているので良いのですが、こちらについては教材とともに送られてきた募集要項に明記して頂ければ尚のこと良かったのかなと思います。
机には当日使用する教材(受講案内やスライド資料など)が置かれていました。開講前にオリエンテーションがあり、各種案内がありました。連続した日程ですので、初日は机や机の物入れに物を置いても構わないとのアナウンスもありました(貴重品はもちろんNG)。
基本は座学
オリエンテーション後、すぐに講義が始まりました。午前9時から始まって1コマ1時間の内容が休憩時間を挟んで連続する予定になっています。
こうして見直しますと、二日間とも朝から夕方まで講義がぎっしりと詰まっていますね。講義の内容はJBOで定めたガイドラインに沿ったカリキュラムで構成されています。具体的にはJBOが発行している防災士教本に掲載されている21講目から最低12講目以上について行うこととなっています。
上の日程表で講義の横にある【 】内の数字が教本の講目に対応していますが、⑥のHUG(はぐ、と読みます)は2コマ分の時間で行われ、その内容は第18講「避難所の設置と運営協力」と第21講「防災士に期待される活動」における補講4「防災士が行う各種訓練」(の5・避難所開設運営訓練)両方を含んだものになっていると考えられます。そうすると本研修では合計12講目の講義が行われており、確かにJBOのカリキュラムに準じたものであると言えるでしょう。
そしていずれの講義も防災を考える上で大変重要なものであったと思いますが、その中でも特に興味深く学ばせてもらった講義について、少しその内容や感じたことを述べていきたいと思います。
講義ピックアップ
①地震・津波による災害
「①地震・津波による災害」主なトピックス
- 日本周辺のプレートについて
- 地震と地震動、断層について
- 地震・津波への備え
初日最初の講義になりますが、研修が札幌市ということもあるのでしょうか、講師を北海道大学の先生が務められておりました。この後の講義(火山災害・後述)を含め大変面白く勉強になったと感じています。また北海道の実例もふんだんに盛り込まれていて、さらに深い話を伺いたいほどでした。
冒頭、先生から受講者に六つの質問がありました。「地震はこわい?」→「津波警報と注意報の違いが分かる?」→「旅行先の海辺で避難先、経路を確認する?」といった質問がありました(メモによれば)。それについて挙手をする方達が私を含め、最初は手を挙げていたのですが質問が進むにつれてその数が少なくなっているようでした。
この質問の心として、該当数が少ないほど、被災する可能性が高くなる、との話でした。質問は意識、知識、行動についてそれぞれ尋ねたものだそうでして、防災は必ずこの順序で行うことが大切である、という話が特に印象に残りました。したがって意識の低い人はそれを高めることが大事であるとも話されていたように思います。
また北海道、特に札幌についても地震を引き起こす活断層があるということもスライドと共に示されていました。これは月寒(つきさむ)断層と呼ばれているもので、数万年に一度の程度で活動するとされています。
以前、札幌市がリリースしている防災アプリ「そなえ」について特集記事を書いたことがありました。
こちらの記事内において、札幌市で想定される地震を調べて取り上げたのですが、その内の一つがこの月寒断層です。最大でM7.2の地震が想定されていることが、2021年(令和3年)に札幌市が発表した第4次地震被害想定で示されています。
講義では、札幌市の地震防災マップも紹介されました。実は札幌は地盤があまり良くはない、という話で大きな揺れが液状化現象のリスクになるとのこと。実際に胆振東部地震でも札幌で液状化が起こった地域があったと記憶していますが、北海道一の大都市である札幌も地震による災害リスクが大きいことを実感しました。
地震と津波は関連が深いものですが、阪神大震災と東日本大震災(「大」が付く震災は関東を含めてこの三つという話もありました)の死者、行方不明者、負傷者数の比較から津波に巻き込まれると怪我では済まなくなること、そのため津波の防災は逃げること、死因のほとんどが溺死ではなく水と一緒に流れてきた様々な物が当たることである、との話は非常に重要なポイントであると感じました。
スライドには北海道での津波事例も掲載されており、東日本大震災で道南のえりも町に押し寄せてきた津波の画像がありました。過去何かの折に動画サイトで見たことがあったと記憶しているのですが、この写真はそれとはまた異なったアングルでした。
港だと思いますが周囲一帯の海面が津波で上昇しており、建物の入り口が多少見えるくらいまで水没している光景を捉えており、津波の怖さが伝わってくる一枚になっていました。
また津波の避難については、家の中から屋外に出るまでに時間がかかることも説明されており、訓練などでは大体屋外から行動を開始することが多いとの指摘もありました。そのため情報を得て判断することが大事であるとのことでした。
②火山災害
「②火山災害」主なトピックス
- 火山と噴火について
- 火山災害の事例(航空機、火砕流、泥流、異常気象、津波など)
- 火山の防災情報
引き続いて火山災害に関する講義です。最初に火山と噴火の仕組みを学び、次に災害の実例が紹介されていったのですが、火山が引き起こす災害事例は種類が多いことを改めて意識しました。
直接的なものとして火砕流は大変に危険ですし、たとえ離れていても火山灰の降灰によって日々の暮らしにも影響が出てきます。
その中でも火山によって津波が引き起こされる事例について紹介があり、過去3例あるとのことでしたが、その内の2例が北海道の火山であったということは驚きでした。ちなみに北海道以外の1例は雲仙岳・眉山が崩壊してその土砂が有明海に流れ込んで発生した津波(島原大変肥後迷惑と呼ばれています)で、約15,000名が亡くなったとされています。
北海道の2例は北海道駒ヶ岳と渡島大島(おしま・おおしま)についてですが、この内渡島大島についてスライドが紹介されました。
1741年(寛保元年)、渡島半島の西にある渡島大島の噴火によって発生した津波で2,500人が死亡したとのことです。そして八雲町にある無量寺というお寺の地蔵が掲載されていましたが、その写真には背中に三つの穴が開いていました。先生によると、犠牲者を海から引き上げるのに銛(もり)を使ったからなのだそうですが、火山による津波被害の恐ろしさを物語っています。
この頃、年代的に即時に情報が伝わる通信手段は無かったでしょうし、住民は噴火の音を聞いて何事か異変があったのだと気付くのだと思いますが、そこから津波が襲ってくるとは想像できなかったでしょう。突然巨大な波が向かってきて為す術なく全てが流されたのだとしたらそれはあまりに悲し過ぎます。
よしんば現代においても突発的に火山噴火による大津波が発生したならば、確実に避難できる保証は無いかも知れません。ほんの数年前にトンガの火山が噴火して津波が日本にもやって来たという事実もありますし、将来、噴火に由来する津波が発生する可能性はあると思っています。
火山災害は多様であり、また一度噴火すると活動が長期化して避難生活が長くなる可能性もあります。しかし講義では、火山は観光資源(景観、温泉など)でありエネルギー源(地熱、硫黄)でもあるというプラスの面も示されていました。
特に地熱を利用した地熱発電については、同じ火山国であるニュージーランドで多く行われているという話もありました。
したがって活火山が至る所にある日本において、火山防災はもちろん重要なのですが、プラス面とのバランスも考える必要があるということです。私が住んでいる地域も活火山の影響がある範囲に入っていることもあり、自分事として考えることができた講義になったと感じています。
⑦気象災害・風水害
「⑦気象災害・風水害」主なトピックス
- 台風について
- 北海道は爆弾低気圧に注意
- 雪害と複合型災害
研修2日目最初の講義は気象に関するものでした。講師は北海道のテレビ局に出演する気象予報士の方で、実際に何度かテレビで拝見したこともありました。
気象については、私も防災について調べ始めてからより詳しく知りたいという思いが強くなっていて、こちらもさらに詳しく聞いてみたいと感じる講義だったと思います。
講義では北海道において注意すべき気象災害について、データや実例を挙げつつ具体的に解説が行われていきました。
その中で北海道においては急速に発達する低気圧、俗に爆弾低気圧と呼ばれますが、特に注意してほしいと2012年、2021年の実例を天気図と共に示されていました。
特に後者においては史上最強の爆弾低気圧と題されて紹介されていましたが、その中心気圧が946hPaと非常に低く、等圧線の形状も円形に近くて季節は冬ですが台風が来たのではないかと思わせるような天気図でした。この時、道東の厚岸町(あっけし・ちょう)では高潮による床上浸水が発生していました。
また、昨年夏の札幌市における熱中症の救急搬送者が統計開始以来過去最多であること、昨年冬の雪道転倒による救急搬送者数も同様であることを挙げられていました。
北海道でも夏の気温が高く経過していることから(実際ここ2年くらいの暑さは度を超しており、北海道といえどエアコンが必要不可欠になるのではと思わせるほどでした)前者は理解できるのですが、後者は少し難儀しました。
講師の話によれば、朝は氷点下だが日中はプラス気温になる日が増えているからという話でした。そうなると凍結した路面が融解して滑りやすくなることが考えられます。
講義では台風や線状降水帯についての話もあり、興味深く拝聴しました。そして北海道の気象災害で最も多いのは雪によるもの、つまり雪害であり、怖いのは地震が発生し、さらに外が吹雪いているような状況で起こる複合型災害であるとのことでした。
参考としてマイナス7.6℃という気温を挙げられていましたが、これは今年元日の札幌市の気温です。ご存じのように能登地方では元日に大地震が発生しています。
もし能登のような地震が札幌で発生した場合、凍死者も多数出るような被害想定もあるとのことで、これからの季節における防災というものを改めて考え、身の回りの対策を進めていく良い機会になったと思います。
⑥HUG
HUGとは?
「⑥HUG」主なトピックス
- HUG(Doはぐ)の演習
1日目最後の講義から、HUGについて取り上げました。まず、HUGとは何ぞや?ということですが、「はぐ」と読みます。そしてHUGは「避難所運営ゲーム」をアルファベットにしてその頭文字を取ったもの(Hinanjyo Unei Game)になります。
では避難所運営ゲームとは何か?ということになりますが、これは静岡県が開発した図上訓練です。災害時、避難所へ避難者が次々とやって来る状況で、あなたが避難所の運営責任者という立場でそれらを取り巻く状況にどう対処していくか?ということを体験するための演習です。
ちなみに、英語のHUGには「抱きしめる」という意味がありますが、避難者を優しく受け止めるイメージもあってこのような名称になっているとのことです。
そして北海道では、特に冬の気候が本州と比較して厳しいことから、静岡県の使用許諾(HUGは静岡県が著作権・商標権を登録しており、内容改変には許可が必要です)を得てHUGに東日本大震災の経験などの観点を加え、寒冷地仕様にカスタムしたバージョンを作りました。それが「Doはぐ」です。
北海道の道(Do)と英語のDo(ここでは、やってみよう!という意味です)を掛け合わせた名称になっているんですね。
厳しすぎるゲーム条件
講義では周囲の人たちと6~8人程度のグループを組み、それぞれにアドバイザーの方が付いて次の設定条件下で実際にゲームをやってみることになりました。
こちらがDoはぐをプレイするにあたって設定された条件です。
さらっと書かれていますが、少し読んだだけでも真冬に内陸直下型の巨大地震が発生、積雪50センチ、気温が氷点下でライフラインもほとんど断絶されており備蓄もほとんど無いという、相当に劣悪な条件が盛り込まれていることに気付かれるかと思います。
厳しすぎてクリアするのが非常に困難で無理だと思わせる、いわゆる無理ゲーではないかと思われた方もおられるかも知れません。私もそう思います。
しかし、先の気象災害に関する講義にもありましたが、北海道民の感覚からすれば積雪の量こそ地域差があるでしょうが、気温の低さは真冬の北海道の標準的な気温であると考えます。
ということは、もし内陸直下型の巨大地震が発生した場合、この条件に近い、あるいはそれすら凌ぐ困難な状況が起こってもおかしくはないと言えるのではないでしょうか。
ゲームの流れは
さて、実際のゲーム進行ですが、まずグループになったメンバー同士の顔合わせということでアイスブレイキングシートというものがあらかじめ配られていました。シートには名前と講師が指定した話題を書いてそれを自己紹介とする形です。
今回は好きな食べ物という指定になりました。おそらくはどこのグループでもラーメンやジンギスカンが人気を占めたのではないでしょうか。
自己紹介が終わった後にリーダーと記録係を決めたらゲーム開始です。基本的には学校を避難所と想定し、避難してくる避難者の事情に合わせてグループ(避難所運営組織ということです)で話し合い、適切に避難所内に収容していく流れです。
この際、避難者情報は一枚のカードにまとめられていて、アドバイザーの方が読み上げ係となって一枚ずつ読んでいきます。それを受けて皆で話し合い、机に敷いた模造紙(体育館見取り図になっていたり校内の敷地、校舎の図もありました)に配置していきます。
つまり(避難者)カードはそれ自体が避難者を指しており、カードサイズがその人の避難スペースにも対応しているとのことでした。必要があればマジック、付箋などもあるので状況を書き込んでいったりもします。
難しかったゲーム・・・正解は?
単に流れを見れば簡単かと思われるかも知れませんが、非常に難しかったというのが、私の正直な所感です。そして正解は無く、その場で最善と思われる対応をしっかりと話し合って見つけていかねば、とも感じました。その理由ですが、まず避難者それぞれに個別の事情があることです。
たとえば避難者が車で避難してきた場合、あなたならどう考えますか?まず思い付くことは、車の駐車スペースを決めないといけない、ということではないでしょうか。
今後発災から時間の経過とともに避難者が続々やって来ることが予想され(実際そういう設定です)、家族で避難してくるならば車を使う方もおられるでしょう。また救援物資を積んだトラックなどもやって来るかも知れません。
そうなると初めに校舎のどこを避難者の駐車スペースにするか、どこを搬入スペースにするかも決めないといけない、ということになります。更にはこの厳しい条件です。校庭には50センチの積雪があり、道具は剣先スコップとスノーダンプが数えるほどです。ライフラインが全て断絶された状況の中で、運営側が除雪もしなければなりません。
おそらく校庭ほどの広さで機械や重機もなくマンパワーで50センチの雪を除雪するには、数時間あるいはそれ以上は掛かるでしょう。なので当面場所を限定して区画し、避難者にも除雪や誘導など協力してもらえないかお願いするとか、そういった事も議論の対象になるでしょう。
また、読み上げから対応までの時間は原則1分間です。あらゆる事・モノが限られた状況でいかに適切な判断をするか、実際の避難所運営でも求められることなのではないかなと思います。
そしてゲームが進むにつれて、さらに色々な方がやって来ます。発熱が見られる方やペット連れの方、体調を崩され、震えが見られるといった方も私が体験した限りではおられたと思います。
そうした方々は体育館ではなく校舎の教室に案内することになるでしょうが、環境は過酷です。とてもではないですが、1分間で結論が出せないことが多々ありました。
またカードは避難者だけではなく、イベントカードと呼ばれるものもあります。たとえば物資が到着して暖房が届いたとか、避難者から要望が出ている、といったものです。
ゲーム序盤にはいきなりとある歌手が避難者を元気付けるために訪れたいといった話も出てきます。本当にいきなりで面食らってしまいましたが、あなたならどのように対処されるでしょうか。
他にもゲーム設定に関する情報提供カードもあり、これから夕方になって気温が下がってくる、といったもので今後はこれらも考慮して運営をしていく必要があります。
ぜひ一度HUG(Doはぐ)の体験を
さて上に示したことは演習のほんの一部です。この講義は2時間の枠が設定されていましたが、ゲームを最後まで終わらせることは出来ませんでした。おそらく他のグループも同様な状況だったかと思います。ゲーム後、振り返りの時間になり、講師から重要なポイントについて(たとえば震えが見られる人がおられましたが、状況的に低体温症と考えられます)アドバイスがありました。
Doはぐ、という名称や英語と平仮名が合わさった親しみやすさを覚えるネーミングから、簡単なゲームと思われるかも知れませんが、その中身は極めて過酷です。そして先ほど少し述べましたが、この設定条件は決して起こり得ないものではない、ということです。
防災士教本にも記載されていることですが、避難所の運営は、市区町村から職員がやって来て全てをやってくれるものではなく、自治体職員自体も被災するのだと考え、避難者が中心になって自治組織を結成して主体的に運営していくことが望まれるのだと思います。
そして円滑に運営していくためには平時から住民同士で交流を深め、防災について話し合い、訓練も十分に行って備えていくことが求められるのではないでしょうか。
Doはぐについては、北海道総務部危機対策局危機対策課が解説動画を公開しています(研修でも⑨の講義で同課の方が講師を務めておられました)。かなり雰囲気が伝わる内容になっていると思いますので、ぜひこちらもご覧ください。
Doはぐは、避難所運営体験を通して防災についての意識を大いに高める非常に良いツールだと感じています。ただ、本家HUGもそうなのですが、もっと積極的に情報公開をしても良いと思います。
具体的にはカードの中身がほとんど公開されてないと思いました。このDoはぐ動画では何枚かのカードが実際に出ていてイメージを掴めるのですが、カードは全部で250枚あったと記憶しています。
HUGについては著作権・商標権を静岡県が取っていることも関係しているのか、紹介サイトに何もなくイメージが掴めませんでした。もしかしたら権利を取ることで、そのような情報公開がむしろ閉鎖的になってしまってはいないか、そう感じました。
ゲームに興味はあるけれども、そのような場にいきなり参加したい、というよりは前もってどんな感じなのだろうと動画などを検索される方がほとんどだと思うのです。
私も調べてみたのですが、絶対数が足りないように見えます。もう少しメディアへの露出などを増える方策をして認知度を高め、多くの方がHUGを体験できる環境が整備できないものでしょうか。
もう一点、これはあくまで個人的な感想ですが、カードの順番はシャッフルしても良いように思います。もし何度か訓練を重ねて習熟していった場合、次の人が既知の状況になって対応が機械的になるのではと感じています。
実際の避難所にはあらかじめ状況が分かった方が来るわけではないでしょうから、シャッフルしてランダム要素を出した方が良いのではないでしょうか。数百枚のカードがあるので次第にそのような要素が出てくるといえばそうですが。
たとえば情報提供カードに夕方になるとか、時間帯に関するものがあったかと思いますが、そういったものは固定して他のカードはシャッフルするとか、活用の仕方があるかも知れません。
以上思うところもありましたが、今回防災士研修を受講するにあたって私が一番体験したかったのがこのDoはぐ(HUG)です。
2時間枠ではとても足りず、半日ほど掛けてじっくり取り組んでいっても良い、そして一度で終わらず定期的に、継続して演習に参加していくべきではないかと強く思いました。様々な気付きがあり、これは他人事ではないな、と若干の危機感を覚えたのも事実です。本当に良い経験でした。より多くの人に体験してもらいたいです。
まとめです
民間資格の一つである防災士について、防災士資格の簡単な解説と資格取得のために必要な3ステップ、特に防災士研修について、私の経験を中心にお伝えしてきました。
このように研修前の準備や計画立案、そして当日の研修などを振り返ってみると、色々大変なこともありましたが(特に宿の確保)得るものが大きかった、そのような機会になったと思います。
今後得たものを記事という形でアウトプットしたり、また地元の防災組織と関わったりと実際に何かしらのアクションも起こしていきたい、今はそう考えています。
後編では防災士資格取得試験について取り上げていきます。