2022/8/11 能登地方の群発地震ー今わかっていることー を投稿しました

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「キキクル」で危機が来ることを確認!

キキクルで備えよう 防災豆知識
キキクルで備えよう

こんにちは、管理人のアカツキです。
今回の防災情報は「キキクル」を取り上げたいと思います。
こちらは、気象庁が提供する「危険度分布」の愛称となっておりまして、最近決まったばかりの名前になっています。

キキクルで何が分かるのか、早速見ていきましょう!

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キキクルとは

気象庁が提供する危険度分布の愛称です

気象警報が発表された時、あなたのお住いの地域で、どのような災害が起こるリスクが高くなっているかを知るための情報があります。それが「危険度分布」です。

気象庁では、この危険度分布の愛称を募集しておりましたが、少し前の2021年(令和3年)3月17日に「キキクル」に決まったとの報道発表がありました。
「危機が来る」が元になっているということです。

危険度分布とは

ではその危険度分布とは何か?ということですが、実際にキキクルの例を見てみましょう。

土砂災害キキクルの例(令和元年東日本台風)
土砂キキクルの例(gifアニメ、0.25秒間隔)
気象庁 「過去事例(令和元年東日本台風(台風第19号)による大雨)」より
2019/10/12 0:00~10/15 0:00まで1時間ごとの変化をアニメーションにしています
気象庁のサイトでは10/11 0:00~10/15 0:00までの分布を見ることができます

これは令和元年東日本台風(台風第19号)による大雨のときのキキクル(危険度分布)です。
時間が経過すると、地図上に黄色赤色紫色の部分が現れてきますね。
これらの色が、その場所で土砂災害が起こるリスクの大きさを示しています。

後ほどご紹介しますが、紫色の中でもさらに濃い紫色が見られる地域は、すでに過去の重大な土砂災害発生時に匹敵するきわめて危険な状況、となっています。そしてすでに命に危険が及ぶような土砂災害がすでに発生していてもおかしくない状況になっています。

それではキキクルはどのような災害のリスクが迫っていることを教えてくれるのでしょうか?

キキクルは全部で3つ

キキクルは3種類用意されており

  1. 土砂キキクル
    大雨警報(土砂災害)や土砂災害警戒情報を補足する情報です
  2. 浸水キキクル
    大雨警報(浸水害)を補足する情報です
  3. 洪水キキクル
    洪水警報を補足する情報です

があります。

つまり、大雨が降ることにより、その地域で発生すると考えられる災害にこの3種類が考えられるということです。そして確認するキキクル情報は、あなたのお住いの環境によって変わってきます。

危険度は五段階

キキクルは、地図上の色分けによってその持つ意味が変わってきます。
それぞれの色が持つ意味は次のようになっています。

キキクルの色と危険度
キキクルの色と危険度(実際のキキクルでは赤色がややオレンジ色になっています)

先ほどお示ししたキキクルの動画でも、このような色分けがされていたと思います。

そして、一気に災害の危険度が増してくるのは、色がうす紫色に入ってからです。さらにもう一段と色が濃くなり、濃い紫色の状態では、すでに災害が発生していてもおかしくない状況になっていると考えられます。ですので、うす紫の段階で避難の判断をしなければなりません。

特に高齢者の方などは赤色の段階で避難行動を取っていただくことが、被災するリスクを低くすることにつながります。

令和4年6月30日からキキクルの色が変わります(2022/6/2 追記)

新たに黒が追加されます

令和4年(2022年)5月18日に、気象庁から次のようなプレスリリースが出されました。

今出水期から行う防災気象情報の伝え方の改善について」というタイトルのこのリリースにおいて、キキクルについても見直しが行われ、6月30日から実施されることが発表されました。

具体的にどんな見直しが行われるかというと

  • うす紫色(非常に危険)濃い紫色(極めて危険)紫色に統合
  • 災害切迫を意味するが新設

の二つになります。これらをまとめた新しいキキクルの色と意味は次のようになります。

新キキクルの色と意味
新キキクルの色と意味

紫色が一つ減って色合いがよりハッキリしたように見えますね。そしてこの色合いは警戒レベルと全く同じものになっています。そのため、キキクルの色を見ることで、今その地域がどのような災害リスクにあるか分かりやすくなることが期待されます。そのような意味もあり、キキクルは警戒レベル相当情報とも捉えられます。

ここで警戒レベルという用語が出てきました。警戒レベルとは、その地域が大雨などによって今どれくらい危ない状態なのかを5段階のレベル分け(と色)で知らせる取組になります。

そしてレベル5はすでに災害が発生または差し迫っている状態にあり、安全な場所に逃げられるような場合ではありません。ですのでレベル4の段階で避難を完了していなければなりません。

数字だけ見ると1つ上がっただけですが、その時の状況は4と5でとても大きな差があることを押さえておく必要があります。大雨などのテレビニュースで毎回表示されるので、浸透してきていると思いますが、4と5の間にある波線にはその意味が込められていることも押さえておきましょう。あらためて警戒レベルについてこちらの記事もぜひご覧ください。

色合いにも意味があります

警戒レベルの記事でも最後に少し触れていますが、色に付いての補足です。

災害切迫を示すキキクル(警戒レベルも)の「」は、実は本当に真っ黒な訳ではありません。ちょっとだけ赤と青味がついています

内閣府の「避難勧告等に関するガイドラインの改定(平成31年3月29日)」にある「※警戒レベルの5色の配色は、色弱の方等にも配慮した配色を使用しています。(PDF)」という文書によれば

完全な黒だと死を連想する可能性があるため、わずかに色味をつけている。

とその配色の理由が示されています。またその他の色についても、様々な色の感じ方を持つ人がおられるので色々な意見を受け止めた上で決められたとのことです。

ちなみに気象庁においても、同庁のホームページで使う色が決められています。「気象庁ホームページにおける気象情報の配色について」にある「気象庁ホームページにおける気象情報の配色に関する設定指針(令和2年7月一部改訂)(PDF)」で確認することができます。

キキクルはあなた自身が避難する判断をするための情報です

もう一つ重要なこととして、キキクルの情報はあなたが自らの判断で避難をするための情報であることに留意する必要があります。

キキクルの情報は、必ずしも市町村が発令する避難準備や避難勧告高齢者等避難避難指示などとは連動していません。
原則、先ほどの色に沿って赤色避難準備紫色避難勧告または避難指示(緊急)赤色高齢者等避難紫色避難指示が発令されますが、どのタイミングで発表されるかは各市町村の判断によります。
(2021/5/21修正 5/20に改正された災害対策基本法が施行されました。これによって赤色の避難準備は高齢者等避難に変更、紫色での避難勧告または避難指示(緊急)は一本化され、避難指示になりました。当記事においても情報を更新しました)

自分の命は自分で守る、という意識を持ち、市町村からの発令を待つのではなく、自分の判断で避難行動を取ることが求められてきています。

では実際にそれぞれのキキクルを見ていきましょう!

土砂キキクル

土砂災害の警戒区域内は要注意です

土砂キキクルでは、土砂災害(土石流やがけ崩れ、地すべり)が起こる危険度を表示してくれます。
特に都道府県が指定している土砂災害警戒区域にお住まいであれば、土砂キキクルを活用して避難の判断に役立てるという使い方が考えられます。

ではどのような場所がそのリスクが高いのでしょうか?
気象庁のリーフレットでは次のような場所が示されています。

土砂災害のリスクがある場所
土砂災害のリスクがある場所
出展:気象庁リーフレット「土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)の活用 ~土砂災害から命を守るために~」より

土砂災害警戒区域は各自治体のハザードマップで確認することができます。
また、こちらのハザードマップポータルサイトでは全国のハザードマップを見ることができます。

土砂災害のハザードマップ
土砂災害のハザードマップ例
国土交通省ハザードマップポータルサイト」より

これはその一例ですが、国内には土砂災害警戒区域が大変多いことが分かります。
地図をさらに拡大していくと、実に詳細に警戒区域が設けられていることが分かると思います。

あなたのお住いの地域はどうなっているでしょうか?
まずは現状の把握をしてみましょう。

浸水害キキクル

都市部も要注意です

浸水害とは、どのようなものを言うのでしょうか。
これは、大量の雨が一気に降った時、排水管で処理しきれなくなって雨水があふれ出してきた結果、起こる浸水被害です。内水氾濫(はんらん)、とも言われます。

そして浸水キキクルは浸水害の起こる危険度を表示します。

特に注意すべき場所は、アンダーパス地下室、そして周囲より低い場所です。

浸水害のリスクがある場所
浸水害のリスクがある場所
出展:気象庁 リーフレット「大雨や台風に備えて 2021年3月発行」6ページ

また、近年では都市部も浸水害のリスクが高くなってきています。
先ほど取り上げた令和元年東日本台風によって東京の多摩川が増水、そして武蔵小杉一帯で浸水が発生したことは記憶に新しいことだと思います。

やはり、一度ハザードマップであなたのお住いの地域の浸水リスクを知ることが大事です。

浸水害キキクルでも基本的な配色と意味は変わりません。
赤色の段階から避難に向けた行動を考えることが大事です。

洪水キキクル

大きな河川も小さい河川も危ない!

最後にご紹介するのは洪水キキクルです。洪水災害についてはここ数年で衝撃的な映像が多数あり、その怖さを理解されている方も多いと思います。

大雨によって河川の水位が上がることで水が堤防を越えたり、または決壊したりして水が住宅に押し寄せる現象が洪水です。

特に大きな河川(大河川)は流れる水の量が大きく、氾濫(はんらん)が起こるとその水の流れで家などが流されてしまう恐れがあります。

また中小河川では、上流で降った雨によって短時間で水位が急上昇する危険性があります。

洪水キキクルは主に中小河川の危険度を知らせてくれます

まず色分けですが、洪水の場合についても変わりません。うす紫濃い紫は危険な状態であることをしっかり覚えておかないといけません。

一方で大河川については、気象庁などの機関が4段階の洪水予報を出すことになっています。
これを指定河川洪水予報と言います。

洪水予報の色と発表基準
洪水予報の色と発表基準

こちらも基本的な色分けはキキクルと同じですが、黒色が加わっていますね。
これは、氾濫がすでに発生していることを示す情報です。
大変危険な状態ですので、命を守るための最善の行動を取ることが求められます。

洪水キキクルは、基本的には中小河川の危険度を表すシステムです。
しかし、一方で中小河川の危険度が色で表示され、もう一方では大河川の洪水予報が色付けはされているが文字で表示される・・・ちょっとややこしいですよね。

この点については、まとめてキキクルに表示されるようになっています。
大河川は、中小河川よりも太く色分けして表示されます。
中小河川は濃い紫色、大河川は黒色が一番危険な状態であることに注意してください。

まとめです

今回の防災お役立ち情報は「キキクル」を取り上げました。

実はこの危険度分布情報は、次の表のように2013年(平成25年)6月から運用が開始されています。
そして今年2021年(令和3年)3月にその名称が「キキクル」に統一されたという経緯があります。

年月日 災害種別
土砂 浸水 洪水
2013年(平成25年)6月27日 土砂災害警戒判定メッシュ情報(5km)
2017年(平成29年)7月4日 大雨警報(浸水害)の危険度分布 洪水警報の危険度分布
2019年(令和元年)6月28日 大雨警報(土砂災害)の危険度分布(1km)
2021年(令和3年)3月17日 土砂キキクル 浸水キキクル 洪水キキクル

 

(注)年月日のリンクはいずれも気象庁の報道発表資料です。
なお、2019年の発表については報道発表資料を確認できませんでしたが「配信資料に関する技術情報 No.508」の序文に名称を変更する旨記された文章があります。

近年は自然災害が激化している背景もあり、より私たちが災害リスクを知ることができるよう、国や気象庁などが取り組みを行っています。その一つがこの「キキクル」と言えるでしょう。

今後6月から10月にかけて、集中豪雨や台風によって土砂、浸水、洪水災害のリスクが高まる「出水期(しゅっすいき)」がやって来ます。

「キキクル」を活用し、いざという時に備えていきましょう!


(2021.7.8更新 キキクルの色と危険度、洪水予報の表を見やすくしました)

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