2022/8/11 能登地方の群発地震ー今わかっていることー を投稿しました

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トンガの火山噴火(2022年1月)について

トンガ国旗 防災豆知識
トンガ国旗

こんにちは、管理人のアカツキです。
今回の防災お役立ち情報は「トンガの火山噴火」についてです。

先日1月15日、土曜日のことでしたが、夕方頃にトンガにある火山が噴火したとのニュースが入りました。その規模の大きさから津波も発生したとのこと。

これを受けて日本でも気象庁が調査をしていましたが、若干の海面変動があるかも知れないということで津波予報が出るに留まっていました。

しかしその後、状況は一変

日本各地で観測される潮位変動が大きくなり、特に鹿児島県の奄美では、日付が変わる直前に1.2メートルの津波が観測されました。これを受けて気象庁は日付が変わった1月16日0:20頃、急きょ津波警報と津波注意報を発表しました。

これらの警報などは同日14時過ぎに一度解除されましたが、1月17日14時前に再び津波予報を発表。その後も情報は1月19日まで継続され、日本海も含む日本全域で若干の海面変動が続く可能性が呼びかけられました。

気象庁が発表した津波関連の情報
気象庁が発表した津波関連の情報
出展 気象庁「最近一カ月内に観測した津波観測情報

私も噴火のニュースを受けてから各地の潮位の変動を見ていましたが、確かに「若干の」海面変動と言うにはちょっと大きすぎるのでは?という波が続いているように見えました。また深夜に津波警報が発表されたことで困惑された方も多かったと思います。

この記事ではこれらの事柄も交えてトンガの火山噴火について見ていきます。また、噴火による影響が少しずつ分かってきていますので、ニュースまとめ的なものも後日追加して段階的に更新していきたいと思います。

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トンガの場所は?

まずは地理を確認してみましょう。トンガがどこにあるのか?ということです。

トンガは南半球側、オーストラリアやニュージーランドよりもやや東側に位置する人口約10万人の島国です。日本(東京)からトンガの首都ヌクアロファまでは約8000kmの距離にあります。少し東側を走っている線は日付変更線で、時差は日本よりも4時間進んでいます

また、多くの島に分かれていて、大小合わせて170ほどの島が南北およそ800kmにわたって点在しています。ぜひマップを拡大してみてください。拡大すると様々な島々が出てきますよ。

そしてその中でも比較的大きな島が5つあり、南から

  • エウア島(‘Eua)
  • トンガタプ島(Tongatapu)・首都ヌクアロファ
  • ハアパイ諸島(Ha’apai)
  • ヴァヴァウ諸島(VaVa’u)
  • ニウアス諸島(Niuas)

となっており、トンガ王国を構成しています。

フンガトンガ・フンガハアパイ火山とは?

周りの環境は日本と似ている?

次に今回噴火を起こしたフンガトンガ・フンガハアパイ火山(Hunga Tonga-Hunga Ha’apai、HTHHと略します)の位置関係について見ていきましょう。

HTHHの情報は、世界中の火山活動について情報をまとめているスミソニアン協会(Smithsonian Institution)の世界火山学プログラム(GVP、Global Volcanic Program)が大変くわしいです。こちらも参考にして見ていきましょう。

まずこちらがトンガの主な火山の位置関係です。

HTHHはトンガタプ島から約70km北北西に行った所、あるいはハアパイ諸島(Ha’apai)の西側に位置しています。さらにHTHHに連なるようにして北にトフア島(Tofua)、ラテ島(Late)、フォヌアレイ島(Fonualei)があります。これらはいずれも火山島です。

島国で火山島が多い・・・これってなんだか日本に似ていますよね。そこでこの辺りを少し引いて見たのが次のマップです。

ちょうどトンガのすぐ東側になりますが、ニュージーランドまで深い溝が走っていますよね?これはトンガ海溝ケルマデック海溝と呼ばれる海溝で、最大の深さは10,000m以上となっています。

この記事の前に日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震について取り上げ、そこでも少し海溝について触れましたが、海側のプレートが陸側のプレートに沈み込むことでできるのが海溝でした。そしてこのような場所の周辺では地震活動や火山活動が活発になります。


このトンガ海溝やケルマデック海溝は、陸側のインド・オーストラリアプレートに海側の太平洋プレートが沈み込むことで形成されています。

世界のプレート境界
世界のプレート境界
出展 地震本部地震がわかる!(PDF)」解説編 26ページ

日本は4枚のプレートがひしめき合っていますが、東日本のすぐお隣にはやはり太平洋プレートの沈み込みでできた千島海溝や日本海溝があります。このような背景を見てみますと、トンガ周辺で火山活動が活発なのも想像に難くありません。

元々は二つの島でした

少し話が横道に入ってしまいましたが、再びHTHHの画像です。

こちらは1991年(平成3年)に撮影されたもので、左側がフンガ・ハアパイ島(Hunga Ha’apai)、右側がフンガ・トンガ島(Hunga Tonga)です。なんだか眉毛みたいですよね。

そして2015年(平成27年)の画像がこちらです。

なんと真ん中に新しく島ができており、それがフンガ・ハアパイ島とつながっているように見えます。これは前年の2014年(平成26年)から大きな噴火が発生したためで、その後数か月を経てフンガ・トンガ島ともつながり、一つの島となりました。これがフンガトンガ・フンガハアパイ島と呼ばれるようになった由縁です。

この一連の新島の形成過程は、NASAが衛星を使って研究しており、タイムラプス動画を公開しています。

フンガトンガ・フンガハアパイ島
フンガトンガ・フンガハアパイ島(Hunga Tonga-Hunga Ha’apai,HTHH)
出展 NASA Scientific Visualization Studio(SVS)
New Island forms in Tonga (Updated)
リンク先に動画があります

見えているのは火山のほんの一部

HTHHは海底火山ということですが、ではその大きさはどのくらいなのでしょうか?

これについて、アメリカ・コロンビア大学ラモントドハティ地球観測研究所(Lamont-Doherty Earth Observatory)の研究者の方が過去に調査をされているようです。今回の噴火を受けて次のようにツイートされています。

日本語訳(Twitterの自動翻訳)

(1)RVFalkorで調査した後、 #HTHHのこれをレンダリングしました。虹色は海底火山の形を示し、茶色は海上の島です。黒はデータのギャップを示しています-浅すぎて安全にナビゲートできません。

(2)2016年、海底火山は隣接する海底から約1.4 kmの高さにあり、その一部だけが水面上にありました。その多くは2015年の噴火の際に新たに設置されました。この新しい陸地の進化は、進行中の作業の焦点となっています。

※RVFalkorは観測調査船(Research Vessel)という意味で、Falkorが名前です。映画ネバー・エンディング・ストーリーに登場するキャラクターであるファルコンを指しており、アメリカのシュミット海洋研究所が保有している船です。

2つ目のツイートの画像は島の断面図を示していますが、驚くべきは、今まで私たちが見てきたHTHH島はとても大きな山の一部に過ぎず、その一部がちょっと海面に顔を出しているだけということなんですね。この断面を見ると、海底火山は長さ20km以上、そして高さが1,400mということですからとにかくスケールがすごいですね。

そしてこの調査プロジェクトは次の論文誌に結果が報告されており、誰でもアクセスできるようになっています。私もあまり理解できていませんが、時間によって島の形が変わっている様子を確認することができます。

J. B. Garvin,D. A. Slayback,V. Ferrini,J. Frawley,C. Giguere,G. R. Asrar,K. Andersen,”Monitoring and Modeling the Rapid Evolution of Earth’s Newest Volcanic Island: Hunga Tonga Hunga Ha’apai (Tonga) Using High Spatial Resolution Satellite Observations”,Geophysical Research Letters,Volume45, Issue8(28 April 2018),Pages 3445-3452,https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/2017GL076621

2021年末から噴火活動を再開

GVPによれば、近年の噴火活動は

  • 2009年3月
  • 2014年12月~2015年1月
  • 2021年12月~

と大きく3回発生しています。そして今回の大噴火は昨年2021年(令和3年)12月20日の午前に始まった噴火からの流れで発生しています。

次のリンクは、ニュージーランドのオークランド発トンガ(ヌクアロファ)行きの航空機が欠航したとの地元メディアのニュース記事(12月21日付け)です。トンガの副首相がオークランドで亡くなられたという事で、そのご遺体をトンガに移送する予定だったようです。

運航キャンセルの原因として、先日(20日)から始まった噴火による影響という趣旨の内容です。これが噴火の初報のようです。

その後少しして噴火に関する記事をAFP通信(フランス通信社)が発信しています(先ほどの地元メディアも同様の記事をリリースしています)。

この噴火は年をまたいで続き、今年1月3日までには火山活動はかなり弱まったということですが、14日に大きな噴火を起こしています。

そして15日、大噴火。これが今回の一連の噴火の流れです。

ここまで、HTHHについて概要を見てきました。今後は噴火に関するニュースをまとめて適宜記事を更新する予定です。火山防災について、今回の噴火から学ぶ点は多いと思いますので引き続き調べていきます。

トンガ・火山噴火に関するニュースまとめ
(2022年(令和4年)3月5日追記)

HTHHの噴火について、関連するニュース記事を調べ、時系列に整理してみました。基本的に次の方針で記事を収集しました。

2022年(令和4年)1月23日時点での記事本数は、592本でした。今回の更新分では、1月14日から1月23日まで追加しました。

(2/2追記)
2022年(令和4年)1月31日時点での記事本数は、684本でした。今回の更新分では、1月24日から1月31日(29日)まで追加しました。

(3/5追記)
2022年(令和4年)3月5日時点での記事本数は、746本でした。今回の更新分では2月以降のニュースを追加しました。特に噴火一か月にあたる2/15以降は配信される記事が減っており、全体の3%程になっています。

トンガ・HTHHの噴火関連ニュース(2022/1/14~1/16)

トンガ・HTHHの噴火関連ニュース(2022/1/17~1/20)

トンガ・HTHHの噴火関連ニュース(2022/1/21~1/23)

トンガ・HTHHの噴火関連ニュース(2022/1/24~1/31)

(3/5追加) トンガ・HTHHの噴火関連ニュース(2022/2/1~3/5)

まとめです

今回の防災お役立ち情報は「トンガの噴火」についてお伝えしました。ニュース記事のまとめも追加しましたので、今回の経緯を見つめ直したい、という方には大変参考になるのではないでしょうか。

実際にニュースを集めて思ったのが、各メディアの情報収集力です。的確に情報を集め、すぐにそれを記事にして発信するという作業は、私もこのサイトを始めてから実感しましたが、相当な情報ネットワークとすぐに文章にする力が必要とされると思います。

特に14日から17日にかけて発信された記事数は、今回まとめを追加した592本中、50%を占めていました。15日の未明に気象庁の会見が行われていましたが、その時間から明け方まで、まさに分刻みで記事が追加されていく様は感嘆せざるを得ませんでした。すぐに情報を伝えたい、という記者の方々の思いを感じた気がします。

ただ、発信されたニュースがわずか一週間で見られなくなるサイトもあり、当時の状況を後から確認することができなくなることは残念です。また、記事本数は日に日に少なくなっていきます。そのアーカイブという観点で見ると、このまとめがもしかしたら誰かの役に立つのかもしれませんね。

トンガの噴火は、まだまだその全容が見えてきていません。引き続きその情報を追っていきたいと思います。

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