こんにちは、管理人のアカツキです。
各都道府県の防災情報リンクをお伝えしております。
前回から九州・沖縄地方について防災リンクを見ています。
1回目の記事はこちらです。
2回目となる今回は「熊本、大分、宮崎」の3県についてご紹介します。
九州・沖縄地方の防災リンク一覧
コード | 都道府県 | 公式Webサイト | 防災Webサイト | 公式ツイッター | 防災ツイッター |
43 | 熊本県 | 熊本県 | 防災情報くまもと | 【熊本県】イマコレニュース | 公式 |
44 | 大分県 | 大分県ホームページ | おおいた防災情報ポータル | 大分県 | 公式 |
45 | 宮崎県 | 宮崎県 | 宮崎県防災・危機管理情報 | 宮崎県広報 | 宮崎県危機管理局 (宮崎県防災救急航空センター) (Facebook) |
(注1 コードとは、都道府県に付けられている通し番号です)
(注2 防災ツイッターの「公式」は、防災情報の発信を公式ツイッターが担当しているという意味です)
各県の防災コンテンツには、5つ星による評価を入れてあります。
これは個人的な観点から、防災情報の総合的な発信力を示したものです。
あくまでも参考としてとらえてもらえればと思います。
熊本県の防災リンク
Web・・・あり
ツイッター・・・なし
- あらゆる情報を地図表示
- リストのソート機能
- 防災ハンドブック
- 熊本デジタルアーカイブ
- ?
地図であらゆる情報を確認!
熊本県の防災ポータルサイト「防災情報くまもと」です。
とてもシンプルな構成になっていますが、実に情報が詰まっています。
まずは一番上にある各種情報の案内です。
こちらは避難情報とハザードマップの背景が黄色になっていますね。
これは、県内で令和2年7月豪雨の影響で現在も一部地区に避難情報が発令されているためでしょう。
ニュース、気象情報、災害情報、防災リンクなど、しっかりと情報が分類されています。
あなたが知りたい情報に確実にアクセスすることができると思います。
緊急ニュースは赤色の目立つ配色で一番上に置かれています。
まず必要な情報の第一報を入手することができるようになっています。
そして、特に素晴らしいのが「災害・防災情報」です。
地図をふんだんに活用し、直感的に情報が取れるようになっています。
たとえば雨量と川の水位など、別の情報を重ね合わせることもできます。
避難所情報も開設・非開設に関わらず、すべての避難所をチェックすることができます。
もちろんハザードマップも対応しています。
地図全体では、凡例が連動しています。
左で選択した情報に応じて即座に関連した凡例が表示されるんですね。
さらには地図の下に、情報に対応したリスト一覧も表示されます。
こちらをクリックすることで地図に詳細な場所が出てきます。
そしてこのリストはタイトル部分をクリックすることでデータの並べ替えもできます!
「気象警報・注意報」以外の、このサイトで取得できる表はすべて対応しているのではないでしょうか。
一部のデータは、エクセル形式でダウンロードすることもできます。
防災ハンドブックも完備
サイトの緊急ニュースの隣に「防災ハンドブック」コンテンツがあります。
ご存じの通り、熊本県は平成28年に震度7の地震に2回も見舞われるという熊本地震を経験しました。
この「防災ハンドブック」には、そのような災害から身を守るための方法や、防災用品のそなえ、避難所での暮らし方などのノウハウがまとめられています。
災害から学んだ教訓は、次でご紹介する熊本地震デジタルアーカイブにも盛り込まれています。
熊本地震デジタルアーカイブ
熊本県では、先の熊本地震の被害から復旧までの過程で得たノウハウや教訓をまとめ、後世に遺す取り組みを始めています。それがこの「熊本地震デジタルアーカイブ」です。
主なコンテンツは「記録・検証」「定点撮影」「語り継ぎ」「活用」の4つです。
このどれもが必見に値するものだと思います。
たとえば記録・検証では県や町などの被災状況報告書、復興計画などの文書や映像を見ることができます。これらにはすべて文書識別No.が割り振られており、二次利用の可否含めしっかりと管理されています。
コンテンツ量は今も増えており、熊本県だけでなく、他県や国の機関などからも多くのアーカイブが提供されています。本当に物凄い量です。
今回記事を書くにあたり、初めてこのデジタルアーカイブを知りましたが、素晴らしい取り組みだと思います。
災害を過ぎたものとして終わらせず、学ぶべきことを学び、伝えるべきことを伝える、その姿勢を感じました。
より多くの人にこのサイトを知ってほしい、そのように思います。
以上、熊本県の防災コンテンツをお伝えしました。
細かいところまで行き届いた防災サイトになっていると思います。
ただ一点申し上げるとすれば、防災情報専用のツイッターなどSNSは開設されないのでしょうか。
ぜひ活用して広く情報を発信していってほしいと思います。
現段階でも情報の発信力は申し分なく、星4.5とさせていただきました。
大分県の防災リンク
Web・・・あり
ツイッター・・・なし
- 地図を利用した情報提供
- おおいた防災アプリ
- 避難者情報に関するサイン
- ?
防災マップと道路情報を地図で確認
大分県の防災サイト「おおいた防災情報ポータル」です。
青緑色のカラーが映えるデザインになっています。
こちらもまずお知らせがあり、次に大きな地図画面が目を引きます。
地図には「県管理道路規制情報」「防災マップ(避難所・ハザード)」の二つのタブがあります。
最初の状態では、道路情報がオンになっています。すでにたくさんのアイコンが地図に表示されていますね。
ここでは道路規制情報(全面通行止、片側交互通行など)と道路カメラの確認ができます。
こうして見ると規制がかかっている道路が多いことに気が付きます。
道路工事によるものが多いですが、これだけの数を把握するのに地図は本当に便利です。
右のタブは防災マップになっており、こちらも項目を選択して地図に情報を表示します。
避難所やハザードマップ、河川カメラなどの情報が表示できます。
その下には市町村別の防災情報があり、注意報や土砂災害など7つのタブがあります。
地図とタブの利用でコンパクトに情報を詰め込んだサイトになっていると思います。
また公式ツイッターや安全・安心メール、防災アプリ、リンク集といったコンテンツもあり、十分にポータルサイトとしての機能を果たしているといえるでしょう。
もう一つのポータルサイト「おおいた防災ポータル」
大分県にはもう一つの防災サイト「おおいた防災ポータル」があります。
災害に関する新着情報をはじめ、さまざまな情報がカテゴリー別にまとめられています。
どれも役に立つ情報ばかりですが、まず非常時に役立つ情報として「避難所情報に関するサイン」に注目してください。
大分県では、災害発生で避難所などが孤立した際、その中に要救助者がいるかを確認するためのサインを決めています。
防災ヘリなどで救助する時に分かりやすいよう、黄色または赤色のサインを使うことに統一しています。もしもの時に備え、押さえておくのが大事だと思います。
そして「防災の知識」は必読だと思います。
「わが家の防災」から「資料集(地震・津波)」まで7つのカテゴリーに必要な情報がぎっしりと詰め込まれています。とても読み応えがありますよ。
「企業の防災」では、前回の記事にもありました「BCP」についての項目があります。
大分県では、業種別のBCP事例集や様式集を用意しており、BCP策定の手助けとなる資料を用意しています。
また「資料集」が充実しています。
特に大分県作成の冊子として「女性の視点からの防災パンフレット」
小学校高学年向けの砂防読本である「土砂災害から身を守る」があります。
どちらもPDFファイルでダウンロードできますので、ぜひ手に取ってみてください。
防災情報をアプリで手に入れよう
令和2年3月14日より、防災アプリ「おおいた防災アプリ」の運用が開始されています。
iOS、Androidスマホ両方に対応しています。主な機能は次の通りです。
「おおいた防災アプリ」主な機能
- 避難情報など最新の防災情報をお知らせ(プッシュ通知)
- 道路規制情報や河川カメラ映像の視聴
- ハザード情報の表示
- 避難所検索と、避難所までのルート案内
- 安否登録・安否確認機能
盛り沢山ですね。
私も試しにダウンロードしてみました。
地図上に知りたい情報が表示されますので、とても使いやすいです。
驚いたのは、メニューに「全国避難所リスト」があることです。
実際に全国の避難所を調べることができました。
現在の防災対策は、スマホによる情報収集も欠かせなくなってきています。
その上から、身近な防災対策に最適なアプリだと思います。
ぜひダウンロードをおすすめします。
以上、大分県の防災コンテンツを見てきました。
非常にコンテンツが充実していると感じたのが率直な感想です。
こちらにも一点申し上げることがあるとすれば、やはり防災ツイッターの開設でしょうか。
大分合同新聞にこのような記事が掲載されています。
災害状況の把握にSNSの「正確な」情報を活用するように取り組んでいるとのことです。
であれば、県が主体的に防災ツイッターを運用し、災害時の情報収集と提供の場を自ら作る、ということもできるかもしれません。
さらに上を行くコンテンツの充実を願い、星4.5としました。
宮崎県の防災リンク
Web・・・あり
ツイッター・・・なし
(Facebookあり)
- みやざきシェイクアウト訓練
- 冊子「災害記憶の伝承」
- 必要な情報が外部サイトに多い・・・
- 災害時の連絡先・ライフラインがない
- 「学んで備える!防災メモ」の周知を
防災サイトはあるが・・・
今回最後となる、宮崎県の防災サイトです。
ただ、防災ポータルと言うには残念ながら物足りない印象が残りました。
というのも、ページの立ち位置が宮崎県のサイトのカテゴリーの一つになっていて、サイトとして独立しているわけではないんですね。
宮崎県のサイトにある「安全・安心情報」から「防災・危機管理情報」を経て今回取り上げているトップページになります。
また、現在の雨量や河川水位、土砂災害の危険度などの情報は防災情報に入っていません。
宮崎県では「安全・安心情報」としてカテゴリーをまとめているため、一度県のトップページに戻り、安全・安心情報にアクセスして情報を得る必要があります。
避難所情報やハザードマップなどの情報についても、防災・危機管理情報ページの下側にある「おすすめ関連サイト」から入手することになります。
ハザードマップは国土交通省のサイト、避難所については国土地理院のサイトに移動します。
このように、情報の提供体制がどうも先ほどの2県に比べると見劣りするように思います。
確かに確実に情報を取得できるサイトへのリンクは張られています。
しかしたとえば避難所なら、管轄市町村の案内ページへのリンクを掲載するなど、県としてある程度自前で情報を集約することが必要ではないでしょうか。
そして「防災の知識・情報」に「災害時の連絡先・ライフライン」がありますが、ここを見ると現在、情報はありません。と表示されます。
情報を事前に示すことで、備えにつなげられないでしょうか。
「学んで備える!防災メモ」をもっとわかりやすく
同じく「防災の知識・情報」の「防災への備え・啓発」、あるいは「防災に関するお知らせ」にもありますが「学んで備える!防災メモ」というコンテンツがあります。
これは、県民に日ごろから備えてほしいことを一口メモにしたものです。
どれも大変参考にするべき内容になっています。
こういった情報をより周知すべく、イラストなどを加えて冊子などにはできないでしょうか?
もしくは一口メモとして、ツイッターアカウントでつぶやく、といったこともできると思います。
調べてみると、宮崎県の危機管理局が防災SNSとしてFacebookを開設しています。
SNSを活用し、周知する機会を作っていってほしいと思います。
11/5はみやざきシェイクアウトの日
先ほどご紹介した危機管理局のFacebookでも告知されていますが、11/5の午前10時より、宮崎県全域でシェイクアウト訓練が行われます。
シェイクアウト訓練とは、ある時刻に参加者が一斉に机の下に隠れるなどの行動を取る訓練で、日ごろの防災対策を確認するのに大いに役立ちます。
私もエンジニア時代に経験しました。
実際に揺れたりすることはありませんが、避難経路を確認したり、ヘルメットを取り出しやすくするなど、少し自分の行動が変わったことを思い出します。
この訓練開始の合図としてアプリを利用することもある、と記述されています。
初めて知りましたが、NTTドコモからこのような地震防災訓練アプリが出ているのですね。
このアプリで上にお示ししたサイトにあるQRコードを読み取ることで、指定された日時に専用ブザー音が鳴るようになっています。
個人でも手動で日時を設定できますので、訓練に使うことができます。
頭の中で理解した気になっても、いざ行動するとなると体が動かないことがままあると思います。
ぜひ防災意識を持ってシェイクアウト訓練に参加してみましょう!
「災害文化と災害記憶の伝承」で防災意識を高めよう
「災害に関する情報」から「本件の災害統計情報」に進みますと、二冊の冊子が紹介されています。
1冊目は「宮崎県における災害文化の伝承」
そして2冊目は「災害記憶の伝承」です。
1冊目は主に宮崎県の土砂災害史に焦点をあてて特集しています。
2冊目は、平成17年以降に宮崎県が経験した自然災害について、平成28年の熊本地震、台風16号までその災害の状況がまとめられています。
他にも宮崎県は毎年の災害記録を作成しており、現在平成30年分まで公開されています。
これらの冊子などは、県民の防災意識の向上に大いに役立つと感じました。
ぜひ更なる周知をしてほしいところです。
以上、宮崎県の防災リンクを取り上げました。
内容に少し残念なところがありましたが、個々のコンテンツは良いと思います。
ぜひ今後防災ポータルサイトを立ち上げてほしいという期待を込め、星2.5とさせていただきました。
まとめです
防災リンク情報「九州・沖縄編」第二回目では、熊本、大分、宮崎県を取り上げました。
自治体によって防災の考え方、取り組み方に独自色が見られますね。
最終回となる第三回目は、鹿児島県と沖縄県についてお伝えします。