こんにちは、管理人のアカツキです。
今回の防災グッズは地震で家具などが倒れることを防ぐ転倒防止アイテムです。
特にオフィスなどで対策が進んでいると思いますが、あなたの家ではどうでしょうか?
実は身の周りには、地震で転倒のリスクが高い家具や家電などがたくさんあるんです。
私も自宅をチェックしてみましたが、かなりまずい状況でした。
食器棚の一部を対策していただけだったんです。おそらく数年前にやったきりでしょう。
そしてリビングにも食器棚がありしかもかなり背が高いのですが、こちらは全く手つかずでした。
この前に食卓があり、ここで食事を取っていましたので、これはヤバいのでは・・・?と思い転倒防止アイテムを調べ出し、今こうして記事を書いてグッズ情報を共有したところです。
特にマンションの高い階にお住まいの方は、今すぐに導入を考えても良いと思います。
それではどのようなアイテムがあるか見ていきましょう。
なぜ転倒防止グッズ?
家具などの転倒でケガをする人の割合が高いです
まずはこちらをご覧ください。
これは、東京消防庁が発行している「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック(令和2年度版)」に掲載されているグラフです。
いずれも震度6弱以上を観測した大地震について取り上げたものです。
これらの地震でケガをした原因を見てください。家具類の転倒・落下・移動、とあります。
このグラフは、地震による家具類の転倒などによってケガをした人の割合を示したものです。
明らかに、多いですよね。
つまり大きな地震によって
- タンスなどが転倒して下敷きになってしまった (転倒)
- 棚の上に乗せたモノが落下してきて頭を打った (落下)
- 倒れた家具が揺れでさらに動き、腕を打撲した (移動)
などが起こったことが読み取れます。
身の周りにある家具類が地震のエネルギーによって動き出し、あなたに襲いかかってくる可能性が高いことをこのデータは示しています。
家具や家電が転倒すると・・・
そして、家具類の転倒はさらにやっかいな被害をも引き起こしかねません。
その一つが火災です。特に冬場の地震では、電気ストーブに家具類や本棚から落ちてきた本が接触することなどで起こるリスクがあります。
またドアの近くに家具類があれば、転倒などで避難のための経路がふさがれてしまう、そんな危険性もあります。
高層マンションは特に注意が必要です
高層階になるほど家具類の転倒などの割合が高くなっています
こちらも東京消防庁が作成したグラフです。
東日本大震災において、東京都内でアンケートを行った結果です。
高層階になるほど、家具類が転倒などしている割合が高くなっていることが読み取れますね。
長周期地震動にも注目を
ではなぜ、高層階では家具類の転倒割合が高いのでしょうか?
その原因の一つと考えられるのが「長周期地震動」です。
長周期地震動とは、その名の通り地震波の周期が長いものを言います。
この揺れは、特に高い建物の高層階で大きくなり、その時間も長くなります。
規模が大きい地震になると10分以上も続くと考えられています。
先ほどのデータからも、高層階ほど家具類を固定する対策の必要性がある、と言えるのではないでしょうか。
家具・家電別 転倒防止アイテム
それでは実際にどのような転倒防止アイテムがあるかを見ていきましょう!
かなりの種類がありますので、家具・家電別にまとめてみました。
基本的に、壁や家具に穴を開けて金具やネジで固定する方法が最も強力な転倒防止効果を発揮します。
しかしマンションなどでは穴開けNGの物件がほとんどだと思います。
そこで今回は原則穴開けを必要としないタイプのアイテムをご紹介します。
(引き戸の開放を防ぐ耐震ロックのみネジ止めが必要です)
冷蔵庫
本体とキャスター部分の両方をロック
一般的な家庭用の冷蔵庫は、背が180cm以上あり、その重さも100kgを超えるものが多いです。
そのため、対策をしないともしもの時、あなたにこの重量がのしかかってくるリスクがあります。
固定のポイントは本体だけでなく、そのキャスター部分もやることだと思います。
リンテック21の冷蔵庫ストッパーはベルト式の固定器具で耐震度は震度6強です。
接着パッドとベルトの組み合わせになっており、2本1組で冷蔵庫を固定します。
そしてスーパー吸ちゃんは脚にセットする受け皿になります。
揺れによるずれを、複数の固定器具を使うことで対策してみてはいかがでしょうか。
食器棚、タンスなど家具類
(1) ポール式(突っ張り棒)
アイテム名 | 価格(Amazon、税込み) | メーカー | サイズなど |
---|---|---|---|
伸縮棒 ML | 2,289円 | アイリスオーヤマ | ・対応高さ50~80cm(2本セット)、他の高さも種類豊富 ・耐圧143kg、耐震度7 |
ふんばりくんZ | 4,073円 | 新工精機 | ・対応高さ10~20cm(1個入り)、2個入りセットもあり ・家具1台につき2個必要 ・スチール製で耐圧800kg(1個) |
ふんばりくんBタイプ | 2,355円 | 新工精機 | ・対応高さ42~65cm(1本入り)、2本入りセットもあり ・サイズ別にB、Zも含む7タイプあり ・家具1台につき2本必要 ・アルミニウム製、最短寸法で耐圧最大2トン |
マグマ耐震 Mサイズ | 8.000円 | 祖峰企画株式会社 | ・対応高さ46~63cm、Sサイズ、Lサイズもあり ・2本入り ・高強度アルミニウム製 ・耐荷重1,600kg以上(2本使用時) |
不動王 T型固定式 | 2,393円 | 不二ラテックス | ・幅114mm、奥行112mm、高さ170mm ・耐久年数8年 ・震度7相当の実証実験済み ・家具類の高さ215cm、重さ150kgまで実証済み |
家具の奥(壁側)、両端に取り付けると効果的です
家具を壁や柱にネジ止めできない場合に使うのがこの突っ張り棒です。
各社から天井との間隔に合わせて多くの製品が販売されています。
設置のポイントは、2本1組として家具の奥(壁側)、両端に取り付けることです。
マグマ耐震は高強度のアルミニウム合金を使用しており、大きな耐荷重があります。
取り付けたい家具と天井の強度も含め、それぞれに合った突っ張り棒を選んでみてください。
天井に強度がない場合は、天井側に当て板をして補強し、さらに固定をすることで耐震効果が高くなります。
直接家具に貼り付けて耐震
一方で、不二ラテックスの不動王は壁と家具を粘着させます。
振動を吸収するダンパー機能で家具の転倒を防止するタイプの製品になっています。
取付が簡単ですし、より手軽に転倒対策ができると思います。
(2) ストッパータイプ
家具の下に挟み込む
ストッパータイプの家具転倒防止アイテムは、細長く、少し傾きがあります。
これを家具の下に差し込み、挟んで使います。
ストッパーの傾斜で家具が少し壁側に傾くので、揺れても倒れにくくなるという理屈です。
二段重ねの家具は連結してしまおう
家具の中には二段重ねになっているようなものもあります。
そういった家具は連結しておかないといずれかの段が動いてしまうでしょう。
こちらもより強度を高めるには金具などで固定する方法もありますが、粘着シートによるやり方もあります。今回はこちらの製品を取り上げてみました。
(3) 戸棚ロック
揺れで引き戸が開くのを防ぎます
どちらもノムラテックさんの製品になります。意外と目を落としがちな所として、戸棚があります。
大きな地震がくると、引き戸が開いて中の皿などが一気に落ちてくる危険があるんですね。
特に吊戸棚ですと、頭よりも高い位置にある場合が多いと思います。
こういった所もしっかりと対策していきたいですね。
ガラス飛散防止フィルムでさらに万全な対策を
戸棚がロックされたとしても、中に入っている食器などは揺れ続けます。
そうなると、いずれガラスを突き破って飛び出してくるかも知れないですよね。
このような対策にはガラス飛散防止フィルムが有効です。
ガラスのサイズに応じてハサミなどでカットして使用します。
作業時には、ガラスを拭くための中性洗剤や水、霧吹き、ペーパータオルなどが必要になりますので、準備しておきましょう。
テレビ、液晶モニタ
アイテム名 | 価格(Amazon、税込み) | メーカー | サイズなど |
---|---|---|---|
耐震ベルト テレビ用 強力粘着シールタイプ | 2,082円 | エレコム | ・ベルト2本入 ・固定パーツ 38.5mm×33.5mm ・ベルト幅 18mm×350mm(取付時40~220mm) ・40インチまでのテレビに対応 ・~50インチ、~75インチまでに対応した製品あり ・テレビ側をネジ止めするタイプもあり(50インチは無し) ・垂直引っ張り強度は約60kg(2本) |
テレビ転倒防止ベルト クランプ式 | 1,980円 | サンワダイレクト | ・ベルト長約480~1,270mm ・テレビ台(厚さ34mmまでの天板)にクランプで固定 ・壁側に固定することも可能(ネジ一式付属) |
耐震ゲル 25個 | 1.927円 | エレコム | ・25個入り ・幅20mm×奥行20mm×厚さ5mm ・重量1.8g ・負荷荷重100kg(25個使用時) ・粘着力は中性洗剤で洗えば回復 ・震度7相当の振動試験をクリア ・個数と耐荷重で製品のバリエーションあり |
耐震ジェル 極 20枚入り (透明) | 2,699円 | iHouse all | ・厚さ5mm ・4枚以上の設置で耐荷重100kg ・震度7の揺れに対応 ・透明とブルーの2カラー展開 ・8個、12個のセットもあり ・貼り直しOK |
テレビ台使用時には台自体の転倒にも注意です
テレビや液晶モニタには、ベルトで本体と台を粘着固定させたり、耐震ゲルでテレビの台座を固定するやり方があります。これらを組み合わせて使っても良いと思います。
ただ、テレビは対策してもテレビ台がおろそかですとまとめて倒れるリスクがあります。
テレビ台も固定を忘れないようにしましょう。
電子レンジ
アイテム名 | 価格(Amazon、税込み) | メーカー | サイズなど |
---|---|---|---|
イーピタッと 小型レンジ用 | 1,628円 | 株式会社ティーエフサービス | ・ベルト2本入り ・小型用は耐荷重約32kg(2本) ・大型用は耐荷重約64kg(2本) ・レンジと台を粘着ベルトで固定する ・阪神・淡路大震災の地震波で実験した動画あり (メーカーのリンクから見ることができます) |
レンジストッパー (重さ12kgまで) | 2,244円 | 株式会社プロセブン | ・L字型の粘着プレートで挟み込む ・2個入り ・耐荷重は12kgまで ・高さ93mm×幅50mm×奥行43mm ・白と黒の2カラー ・レンジの重さが25kgまでのタイプもあり ・震度7の揺れに対応 |
レンジのサイズに対応
電子レンジは意外と重量がありますから、気を付けたい家電です。
ここではベルトで固定するタイプと、プレートで挟み込んで固定するタイプを取り上げました。
いずれもより重いレンジに対応する製品があります。
先のテレビと同様、レンジを置いている台の固定も合わせて考えてみるのが大事だと思います。
本棚(収納物)
アイテム名 | 価格(Amazon、税込み) | メーカー | サイズなど |
---|---|---|---|
落下抑制テープ 書棚用 GN-180 | 811円 | スリーエム | ・幅25mm×長さ1.8m ・長さ9mの製品もあり ・透明タイプ |
タックフィット ガードテープ | 1,562円 | 北川工業 | ・幅40mm×長さ2.5m ・ホワイトカラー ・震度6強相当の実験済み (8~9割の書籍が落ちなかった) ・卓上機器やガラス・ビンなどの転倒防止対策もできる (テープの向きを変えて使う) |
つっぱり大輔 (幅30~45cm、白) | 1,100円 | 有限会社山五 | ・1本入り ・ダボ穴(5mm)のある棚に取り付ける突っ張り棒 ・バーはスチール製 ・幅30~45cm ・40~55cm、55~90cmの製品もあり ・2本、4本セットあり ・白と黒の2カラー ・軽めのハンガーラックとしても活用できる |
アイデアが光るガードアイテム
本棚は先にご紹介した突っ張り棒などで対策できます。
しかし、収納した本などの落下防止対策も重要です。
それらも地震のエネルギーを受け取っていますから、めいめいに棚を飛び出してくるかも知れません。
ハードカバーで装丁された本などが多い棚は、特に対策したいところです。
この対策を調べていて見つかったのが、今回取り上げたアイテムです。
一つはダボ穴を利用した突っ張り棒です。これはとても上手いアイデアだなあと思いました。
2本使うとそこに箱などを引っかけられるので、収納アイテムとしても使えるところが良いです。
そしてもう一つは棚板にテープを貼るというもの。
最初これで本当に効果があるの?と思ったのですが動画を見るとしっかり残っているんです。
なぜこれで本が落ちにくくなるのか?という原理は北川工業のサイトで示されていますが、おそらく3Mのテープについても同じ考えだと思います。
テープの厚さから生まれたわずかな段差と、テープの摩擦力というものが効いているのでしょう。
私はすっかり感心しきりでした。
先の突っ張り棒もそうですが、アイデアの勝利と言っても良いかも知れませんね。
転倒防止対策はグッズだけではありません
まずはレイアウト見直しを
ここまで転倒防止アイテムをご紹介しました。
しかし、これはあくまでも対策の一つです。
根本的な所として、まずは家具類の配置を見直すことが大事だと思います。
転倒防止アイテムを取り付ける前に・・・
- 廊下や避難経路となる所に家具類があるか?
(ドアがふさがれるのを防ぐため) - 寝室に背の高い家具類を置いているか?
(なるべく置かない。置くなら背の高いものはやめる、倒れた時に直撃しないように置く) - 窓際に重い家具類があるか?
(窓を突き破って落ちていく可能性)
そこに家具類がある。それが地震によって動き、被害のリスクがある。
だからその原因を取りのぞく、という考え方ですね。
それを突き詰めればある意味ミニマリスト的な生活になっていくのでしょうが、実際問題としてそういった境地に到達しにくいのもまた事実。
いかにして家具類が転倒するリスクを減らし、どこまでリスクを受け入れるか、ということだと思います。
過信はしないで!!
ここまで転倒防止アイテムをご紹介し、そもそもの根本的対策を述べてきました。
ですが、転倒防止対策をしたからもう安心!とは絶対にならないで下さい。
いっぱいご紹介をした後で述べるのもなんだか申し訳ないのですが・・・過信は禁物だと思います。

「平成28年(2016年)熊本地震に伴う室内被害の実態調査結果 1詳細版-2戸建住宅編 」11ページ
これは熊本地震について、東京消防庁が行ったアンケート結果です。
何を示しているかというと、実際に転倒対策を行った家具が転倒等してしまった割合を示しています。
全体的に1割程度転倒等が発生しているんですね。
また、マット式(先ほどご紹介したものですと耐震ゲルなどがそうです)はその割合が4割と突出しています。
では、マットタイプで固定した家具類にはどのようなものがあったのか?を示したのが次の図です。

「平成28年(2016年)熊本地震に伴う室内被害の実態調査結果 1詳細版-2戸建住宅編 」12ページ
薄型テレビが半数で、タンスや本棚にも使われているんですね。
そしてさらに次のグラフをご覧ください。

「平成28年(2016年)熊本地震に伴う室内被害の実態調査結果 1詳細版-2戸建住宅編 」12ページ
これがマットタイプで固定した家具類が転倒した割合の内訳になります。
比較的重量が軽いと思われる薄型テレビがやや低く、タンスや本棚が高くなっています。
ですので、特に重量のある家具類についてはマット式で固定することはあまりおすすめできません。
マットだけでなく、さらに突っ張り棒で固定するなど他の固定器具と組み合わせることが効果的です。
まとめです
今回の防災グッズは転倒防止アイテムを取り上げました。
実に24製品をご紹介しました。サイズ違いも含めれば相当な数になると思います。
ちなみに、自治体によっては転倒防止対策に要した費用などを助成してくれる制度があります。
以下は東京都渋谷区の例です。上限10,000円まで補助してくれるとのことです。
転倒防止対策はご家庭それぞれにあり、今回ご紹介したのは本当に一例です。
地震によって家具などが倒れ、ケガをする割合が相当なものになっています。
今対策をしておけば、あなたの命に危険が及ぶ事態を避けられる可能性が高まるはずです。
ぜひ平時の内にできる所から転倒防止対策をやっていきましょう!