2024/4/15 地域に密着「ローカル防災アプリ」で災害に備えよう を更新しました

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長野県の公式防災アプリ「信州防災アプリ」

防災アプリ

こんにちは、管理人のアカツキです。今回の取り上げる防災アプリは、長野県が配信する「信州防災アプリ」です。

近年、県などの自治体が公式に防災アプリを配信する事例が増えてきました。当サイトではそれらをローカル防災アプリと呼んでいます。全国のローカル防災アプリについてはこちらの記事もご覧ください。私が確認した限りでは、全国100以上のローカル防災アプリが配信されています。

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信州防災アプリとは

長野県が配信する公式アプリです

信州防災アプリ
信州防災アプリ
開発元:NAGANO PREFECTURAL GOVERNMENT
無料
posted withアプリーチ

アプリの更新履歴(iPhone版)

年月日 バージョン 変更内容
2021/9/29 1.0.0  
2021/10/1 1.0.1 ・信州防災アプリリリース
・避難計画作成時の入力方法を改善
2021/10/12 1.0.2 一部の端末において、私の避難計画作成時に「次へ」ボタンが表示されない不具合を修正
2022/3/14 1.1.0 信州防災手帳の機能を公開

この数年、日本各地のみならず世界中で大雨による災害が起こり、またもたらす被害も大きくなってきていることを多くの方が感じておられると思います。

特に長野県においては、2019年(令和元年)10月の令和元年東日本台風による大雨被害が挙げられます。特に千曲川流域で堤防が決壊し、浸水被害が発生しました。長野市にあるJR東日本の施設である長野新幹線車両センターの浸水被害が大きく報道されましたね。

このような背景から、災害に備え、防災を学び、適時適切な避難行動を支援したい、そのような思いからこの信州防災アプリが開発されました。

ちなみにアプリの名称が「信州」防災アプリとなっていますが、信州とは長野県を指す言葉として多くの方に知られていることかと思います。

元々長野県の地域はかつて信濃国(しなののくに)でした。そしてその最初の一文字の「信」と行政区分を意味する「州」を組み合わせて信州とも呼ばれていました。このような呼び方は、他の地域でも見ることができます。たとえば和歌山県や三重県の南側が紀伊国(きいのくに)であり、紀州とも呼びますね。

アプリ機能

5つのメイン機能で防災をアシスト

それでは実際にアプリの機能を見ていくことにしましょう。まずは起動後の画面です。

「信州防災アプリ」起動画面
「信州防災アプリ」起動画面
トップ画面
トップ画面
トップ画面・注意報をたたんだ状態
トップ画面・注意報をたたんだ状態

このように、地図を中心とした画面構成になっています。左上にある三本線は、ハンバーガーに見えることからハンバーガーメニューと呼ばれ、ここをタップすることで別のメニューが展開するようになっていおり、本アプリでは設定ヘルプ・サポートなどが表示されます。

この設定画面の一番上にマイエリア設定があります。ここでエリアを追加すると、トップ画面にそのエリアの情報が表示されるようになります。画像では長野市をマイエリアに追加しています。

また右上の鐘のマークから災害に関する情報を確認することができます。地図下には防災情報が表示されるようになっており、下の画面の例ではなだれに関する気象情報が表示されています。

メニュー展開
メニュー展開
お知らせ一覧
お知らせ一覧
気象情報
気象情報

そして下に各メイン機能が揃っています。

  • ホーム
  • 私の避難計画
  • 信州防災手帳
  • 学習
  • 防災リンク

この5つが信州防災アプリが提供するメイン機能ということになります。次にこれらの機能を一つずつ見ていくことにしましょう。

地図機能(ホーム)

避難所やハザードマップを確認

知りたい情報は基本的にこの地図画面から入手することができます。

避難所の絞り込み
避難所の絞り込み
アイコンの絞り込み
アイコンの絞り込み
水滴アイコンをタップ
水滴アイコンをタップ

画像のように、地図上には最寄りの避難所がすべて表示されています。実際に災害時にどの避難所が開設されているかを確認するには、「避難所開閉」ボタンをタップします。これによって開設中の避難所が絞り込まれます。

情報はこれだけではなく、水滴のアイコンなどもありますよね?これらをタップすることで、その場所の雨量情報ダムの水位情報河川カメラ情報を確認することができます(いずれも国土交通省の川の防災情報にアクセスして情報を取得するようになっています)。

危険度表示
危険度表示
危険度表示の例(洪水・想定最大規模)
危険度表示の例(洪水・想定最大規模)
雨雲の動き
雨雲の動き

また危険度というアイコンをタップすると、ハザードマップ情報を地図に重ね合わせることができます。自宅周辺の洪水や土砂災害の危険度も調べられますので、ぜひ活用してみてください。

さらに前後60分の雨雲の動きをチェックできるようになっており、必要な機能がこの地図画面に盛り込まれています。右下の虫眼鏡アイコンでは個別に避難所や河川カメラの場所も検索ができるようになっていて、行き届いた作りになっていると感じました。

避難計画

こちらの避難計画はマイ・タイムラインと呼ばれ、あなた個人の防災行動計画を作りましょう!というものになっています。近年、マイ・タイムラインの取り組みは全国に拡大しており、どの自治体のサイトを見てもそのくわしい作り方が説明されているようになっています。

そして国土交通省によると、その取り組みが本格化したきっかけは、平成27年(2015年)9月に発生した関東・東北豪雨にあるようです。

栃木県から流れ、利根川に合流する鬼怒川(きぬがわ)が豪雨によって増水、下流にある茨城県の常総市で堤防が決壊し、多くの人が逃げられない状態になりました。この時の自衛隊ヘリによる救助活動の映像を覚えている方もおられるかと思います。

この災害を受けて関係する自治体などが「鬼怒川・小貝川下流域大規模氾濫に関する減災対策協議会」を立ち上げました。会において、鬼怒川・小貝川の水害に対して堤防を整備するなどのハード対策や逃げ遅れゼロを目指すソフト対策が取りまとめられ、このソフト対策としてマイ・タイムラインの作成プロジェクトが進められることとなりました。

以上がマイ・タイムラインの取り組みが始まった簡単な経緯です。このタイムラインを作成することで、その地域に住む住人一人一人が自分の逃げ方を確認することができ、またその場所の災害リスクなどを知ることにもつながることが期待されます。

そのようなわけで実際にマイ・タイムラインを作ってみましょう!作り方は簡単で、「作成する」をタップするだけです。後は案内にしたがって必要な事項を入力することでタイムラインが完成します。

避難計画を作ってみよう
避難計画を作ってみよう
「作成する」から始めます
避難計画(1)
避難計画(1)
ステップ1は計画の名前決め
避難計画(2)
避難計画(2)
どこから避難?
避難計画(3)
避難計画(3)
場所を選択
避難計画(4)
避難計画(4)
その場所の危険度が読み込まれます
避難計画(5)
避難計画(5)
どこに避難?
避難計画(6)
避難計画(6)
他に必要な情報を入力
避難計画(7)
避難計画(7)
計画を確認
避難計画の確認
あと少しで完成
下の避難計画も見てみます
警戒レベル別に取るべき行動も作成できます
避難行動の入力(1)
警戒レベル別に取るべき行動を作成
行動をタップすると上に反映されます
避難行動の入力(2)
行動をタップすると上に反映されます
警戒レベル4なので避難を始めます
避難行動の完成
警戒レベル4なので避難を始めます

信州防災手帳

最新のアップデートで実装された機能です。「信州防災手帳」の内容を全てアプリ内で読むことができます。

新機能・信州防災手帳1
新機能・信州防災手帳1
新機能・信州防災手帳2
新機能・信州防災手帳2
新機能・信州防災手帳3
新機能・信州防災手帳3

ところで、「信州防災手帳」とは何ぞや?ということですが、こちらは長野県が配信している防災パンフレットになります。PDF形式で配信されており、こちらからダウンロードが可能です。

手帳は次の内容で構成されています。

  1. 災害リスクを知る災害リスクを知る
  2. 災害に備える
  3. 防災情報を知る
  4. 避難行動を知る
  5. マイ・タイムラインをつくる
  6. 避難所での生活を知る
  7. 被災したときの対応を知る
  8. 地域の防災活動に参加する
  9. 要配慮者を支援する
  10. ボランティア活動に参加する
  11. 覚えておきたい防災豆知識

そして手帳の案内を務めるのは、長野県危機管理部で防災普及啓発担当をされている防災ダックさんです。

防災ダックさん
防災ダックさん
プロフィール
プロフィール

前職にどこか仄暗い何かを感じますが・・・それは置いておいて、手帳内でダックさんも述べられているように、信州防災手帳には自らの命を守るために大切なことが掲載されています。私も一読しましたが、災害に対して知っておくべきことがよくまとめられていると感じました。

特に最初の「災害リスクを知る」では、長野県内で考えられる災害や、過去に起きた災害のこと、そしてこれからどのような地震や火山災害などが起こり得るか?ということが示されており、ここだけでもぜひ読んでほしいと思います。

またアプリ版の内容はすべてPDF版と同じですが、スマホで見るための工夫が至る所にされています。たとえば地図のアイコンをタップすると説明が表示されたり、Webサイトやツイッターへのリンクが入っており、タップすると実際にそのサイトに移動することができます。

特にツイッターへのリンクは「覚えておきたい防災豆知識」で出てきますが、長野県は防災ツイッターも活用しており、ハッシュタグをタップすることで実際にそのツイートを見ることができます。

#カップ麺をタップすると・・・
#カップ麺をタップすると・・・
防災ツイッターが表示されます
防災ツイッターが表示されます

Webで配信されているものをただそのままスマホに移しただけではなく、しっかりとスマホのレイアウトや使い方に合わせて手を入れており、これだけでも信州防災アプリが非常に力を入れて制作されていると私は感じました。

学習

コラムとクイズで防災を学ぶ

続いては学習コンテンツです。こちらは防災コラム防災クイズの二本立て構成になっており、防災について理解を深めることができます。

防災学習コンテンツ
防災学習コンテンツ
防災コラム一覧
防災コラム一覧
長野県の災害に関する問題も出ます
長野県の災害に関する問題も出ます

防災コラムは画像のようにトップ画面に三つ表示されていますが、「もっと見る」で展開すると全てのコラムが表示されますよ。記事を投稿した時点では全部で九つのコラムがあるようです。

また防災クイズは風水害、地震、火山とジャンルに分かれており、それぞれ5問出題されます。解答はすべて四つの選択肢から選ぶようになっています。

クイズにはもう一つ「全て」というものも用意されており、おそらくはアプリに収録されている全問題が出題されます。その数は35。クイズが終わった後には集計結果が表示されます。中には長野県に関する問題もあり、地元の災害について、さらに理解を深められるのではないかと思います。

防災リンク

いざという時に役立つサイトのリンク集です。全部で八つのサイトが登録されています。

  • 川の防災情報
    国土交通省が提供するサイト。行政から発表されている防災情報や河川水位などを確認することができます。
  • 長野県防災情報ポータル
    長野県内で発表されている気象情報や土砂災害情報、避難情報や避難所情報などが全て集まっています。
  • キキクル(気象庁危険度分布)
    気象庁が提供する防災情報。大雨によって自分の地域に土砂災害、浸水被害、洪水がどれくらい起こりやすくなっているか(危険度)を地図上に色分けして教えてくれます。災害別に土砂キキクル浸水キキクル洪水キキクルに分かれています。

    キキクルについては、解説記事を投稿しています。こちらもぜひご覧ください。

まとめです

今回の防災アプリは「信州防災アプリ」を取り上げました。この記事を投稿する少し前に、宮城県・福島県で震度6強を観測する大きな地震がありました。東北新幹線が脱線するなど、その影響が今もなお残っています。

揺れの大きさ、そして広さから、あらためて災害に対する備えを考えた方もおられるのではないでしょうか。そのような中でまずはスマホアプリによる情報収集を充実させることも大事な防災対策になると思います。信州防災アプリがその一助になることを願ってやみません。

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