こんにちは、管理人のアカツキです。
先日は防災グッズカテゴリで「給水バッグ」をご紹介しました。
この記事において、自治体の応急給水体制を若干ですがお示ししました。
今回は東京都を取り上げ、その取り組みを少し具体的に見て行きたいと思います。
東京都の人口は1396万人(2021年1月1日現在)
昨今のコロナ禍によって転入よりも転出に転じていますが、それでも東京都の人口は1400万人に迫ろうかというほどになっています。
このような際立った人口密集地では、災害時において必要なものが確実に手に入れられるのか、不安に感じるところもあるかと思います。その筆頭がやはり「水」でしょう。
東京都の応急給水体制「災害時給水ステーション」
都では災害時に水道水を配布する場所を定めています。
この場所を「災害時給水ステーション」と呼んでおり、次の三つに分けられます。
(1) 給水拠点
浄水場や給水所、応急給水槽になります。都内215か所に開設されます。
住居からおおむね半径2km以内の距離に1か所設置されることになります。
応急給水槽は、公園や都立学校の下にある貯水施設で、浄水場などから水を送る配水管と連結しています。
地震が起こった時には緊急遮断弁が作動して水を貯め、この水が応急給水に使われます。
水は常に入れ替わっているのでいつでも新鮮な水が得られるようになっています。
(2) 車両輸送
(1)の給水拠点から遠く離れている避難所などに設置された仮設給水タンク等を指します。
このタンク等に車両で水を輸送して補給し、給水する形です。
(3) 避難所等
避難所自体に設置してある応急給水栓や、避難所付近の消火栓等(あらかじめ指定されています)です。
これらに区市町が仮設の蛇口を取り付けて開設する給水ステーションです。
近くの給水ステーションを探してみよう
災害時給水ステーションには次のステッカーが掲示されています。
さて、それでは最寄りの給水ステーションはどこにあるのでしょうか。
これについては、次の方法で見つけることができます。
(1) 東京都水道局のサイトから見る
東京都水道局のサイトにアクセスし、「くらしと水道」から「災害に備えて」に移動します。
こちらに災害時給水ステーションの一覧表と地図がありますので、こちらから確認できます。
なお、ここではステーションのうち「給水拠点」について表示されています。
(2) スマホで確認する(ロケスマを使う)
スマホについては「ロケスマ」というアプリを使用することで探すことができます。
詳しくは「ロケスマ・災害時給水ステーションの紹介」をご覧ください。
(3) スマホで確認する(東京都防災アプリを使う)
東京都の公式防災アプリ「東京都防災アプリ」でも確認することができます。
「防災マップ」からご確認ください。こちらは避難所の場所もマップ化されています。
東京都防災アプリは、基本的に都民向けのアプリです。
しかしその情報量が大変に充実しており、どこにお住まいでも非常に役に立つ部分が多いアプリになっています。
以前の記事においても連載でその機能を解説していますので、ぜひご覧ください!
なお給水拠点以外のステーションについては、各避難所等でその開設状況が告知されることになっています。
まとめです
自治体の応急給水体制について、東京都の例を取り上げてみました。
このような取り組みは全国的に行われています。
また水を送る管についても、耐震性のある管やこれらをつなぐ継手(つぎて)を更新する工事が進んでいます。
管だけではなく、その送水経路を二重化するなどのバックアップ対策も実施されています。
この背景には国による「国土強靭化基本計画」があり、特に平成30年(2018年)から「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」が進められているところです。
厚生労働省によると、令和元年度末(2019年度末)時点における基幹的な水道管の耐震適合率の全国平均は40.9%でした。
(耐震適合率とは、(1)耐震性のある管、(2)必ずしも管に強力な耐震性がなくとも、地盤が強いなど総合的に考えると耐震性があると評価された管(耐震適合性のある管)が全体の水道管の長さに対してどれくらいなのか、という意味です)
なかなか工事が進んでいない現状があるんですね。これには水道管の老朽化による取り換えコストなど、様々な問題が背景にあるからだと思われます。ちなみに最も耐震適合率が高かったのは神奈川県で72.3%でした。
厚生労働省では、2022年度末の耐震適合率を50%目標とし、耐震化のペースを1.5倍に加速させる予定です。上のリンクには都道府県別の数字も掲載されています。
もしもの時、あなたがどこで給水を受けられるのか、今からしっかりと把握しておきましょう!