2024/4/15 地域に密着「ローカル防災アプリ」で災害に備えよう を更新しました

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使えないトイレを「トイレ」に変える!携帯トイレを備えよう!!

「携帯トイレ」を備えよう 防災グッズ
「携帯トイレ」を備えよう

こんにちは!管理人のアカツキです。
今回は携帯トイレについてご紹介したいと思います。

携帯トイレについては震災等でその重要性を感じており、前から書いてみたいと考えていました。
奇しくも新潟県の関越道で、大雪によって1000台以上の車が立往生するというニュースが話題になっていますね。

実質車内に丸一日以上閉じ込められる・・・考えただけでもその心労を察します。
そして、その中において「トイレの問題」は決して他人事では無いと思います。

このことについてあらためて調べていくと、携帯トイレは欠かせない防災用品であると考えるようになってきました。

その重要性について、一緒に考えていきましょう!

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携帯トイレとは

使えなくなったトイレを「トイレ」にする

携帯トイレ(後で述べますが、「携帯」「簡易」にも違いがあります)は、断水などで水が流れなくなり、使えなくなったトイレを「トイレ」として使えるようにするためのアイテムです。
基本的には、次の手順で使用します。

  1. 排せつ物を入れる袋(便袋と言います)を便座にセットします
  2. 用を済ませます
  3. 汚物を固める薬剤(凝固剤)を入れて固めます
  4. そのまま袋を縛って、ごみとして出します
    (各自治体のルールに沿ってごみを出します)

つまり、すでにあるトイレの便器を使う、ということですね。
便袋と凝固剤がセットになっており、これらをまとめて携帯トイレと呼びます。
在宅避難時に大いに活躍してくれる防災グッズです。

なぜ携帯トイレが必要なの?

大きな災害、特に大地震が起きると電気、ガス、水道、インターネットなどのインフラに深刻な影響が出てきます。

水道への影響を考えてみますと、断水があげられると思います。
これは水道管が壊れてしまったり、汚水を処理する施設がダメージを受けることによって発生します。

水が止まるとどうなるでしょうか?
いつも気にすることなく使っているトイレが使えなくなります。

私は、常日頃当たり前のように使えていたものが突然使えなくなること、これが一番きついことだと思います。そして災害は、そのような状況を問答無用で作り出してくるんです。それに対処する手段は「備えること」だと言えるでしょう。

携帯トイレはこのような事態に対処すべく考え出された防災グッズと言えます。

バケツに水をくんで流す?

断水時のトイレ対策として、バケツに水をくんで用便後に便器に流すという方法があります。

しかし、配水管が壊れてしまったならば話は別です。
この場合は汚水があふれてしまうリスクがあり、この方法は使えません。

また、トイレ使用1回に使う水の量は5~6リットルにもなります。
人が1日にトイレに行く回数は、4~7回(個人差、年齢差があります)と言われています。

もしあなたが4人家族の場合、家族みんなが1日5回トイレを使い、それぞれ5リットルの水で流すとすると、最低でも

・1人が1日に使う水の量
→5リットル/トイレ1回×トイレ5回=25リットル

・4人が1日に使う水の量
→25リットル/1人×4人=100リットル

つまり、一日100リットルの水が必要になります!
2リットルペットボトルのなんと50本分です。

また一般的なお風呂に水をなみなみと注ぎ入れ、表面張力とはむべなるかなと実感するまでひたひたと満たすとその容量は200リットルくらいになります。
これでさえ2日で無くなってしまう容量になります。

このように、用を足すには大量の水を必要とします。
果たして水道インフラが回復するまで水は足りるでしょうか?

またトイレだけにとどまらず、様々な用途にも水は使われます。
したがって、バケツ作戦は現実的に考えると厳しい対策であると言わざるを得ません。

日本のトイレは9割が水洗トイレ

ところで私が子どもの頃、水洗トイレはあまり見かけなかった気がします。
家のトイレも便座は洋式であったものの、定期的に業者が来て汚物を回収してもらっていました。
汲み取り式トイレというタイプですね。

そのような方式のトイレであれば、災害時にもある程度は使えることでしょう。
しかし、今は2020年。

ホバーボードで道なき道を走り、車は当たり前のように空のハイウェイを飛び、時にはタイムトラベルさえしてしまうデロリアンが登場するという時代から更に5年先を行った時代であります。

そんな現代日本のトイレ事情はどうなっているのでしょうか?

これについては、総務省の統計局が行った平成25年(2013年)の住宅・土地統計調査のデータがあります。

それによれば、日本の住宅(居住世帯のある住宅))総数は4960万戸で、その内水洗トイレのある住宅は4501万戸となっています。

水洗トイレのある住宅の割合を水洗化率と言いますが、上のデータより、90.7%となっております。
日本の住宅トイレはほぼ9割が水洗化されているんですね。

つまり、断水が起こった場合、あなたの家のトイレは使えなくなる可能性が非常に高い、ということになります。

災害時に使えるトイレの種類

今まで何の気なしに「携帯トイレ」という用語を使ってきました。この他にも「簡易トイレ」などと言ったりしますよね。

私たちはついついこれらを同じものとして用語を使いがちです。
内閣府などによれば、これらの用語は別の意味を持つものとして使い分けられています。

災害時に使えるトイレは次のように分類されます。

表 災害時に使えるトイレ一覧
名称 参考画像 特徴
携帯トイレ
携帯トイレ使用例

携帯トイレ使用例

  • すでにある便器を使用
  • 便袋を便座に取り付けて用を足す
  • 使用後は汚物を薬剤で固める
  • 在宅避難者が自宅等で使用できる
簡易トイレ
簡易トイレ

簡易トイレ

  • 持ち運び可能な小型トイレ
  • 水無しで使用できる
  • し尿を分解するコンポスト式もある
簡易トイレ
(組み立て式)
簡易トイレ(組み立て式)

簡易トイレ(組み立て式)

  • 段ボール等で便座を組み立てて使用
  • 使い方は携帯トイレと同じ
  • 持ち運び可能
仮設トイレ
仮設トイレ

仮設トイレ

  • イベント会場などでおなじみの個室型トイレ
  • 排せつ物をため込む貯留式
  • マンホールに直結してそのまま流せるマンホールトイレがある
  • 屋外で使用するので高齢者や女性の避難者に配慮することが大事

(出展1) 兵庫県・避難所対策「避難所等におけるトイレ対策の手引き(平成26年4月)」
(出展2) 内閣府・「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン(平成28年4月)」

本サイトでもこれらにならい、「携帯」と「簡易」を区別して使用しています。
私たちが手に入れられる携帯トイレには、どのようなものがあるのでしょうか。
さっそく見ていくことにしましょう。また、簡易トイレについても合わせてご紹介します。

災害に備えて準備しておきたい携帯トイレ

(1) アットレスキュー トイレONE

・参考価格 税込み3,580円(アットレスキュー楽天市場店)
・便袋と凝固剤が一体化(吸水シートが圧着されている)
・排せつ後の凝固剤処理が不要
・用を足した後は、袋を縛って捨てるだけ

袋と凝固剤が一体化

防災グッズを専門に手掛けるLA・PITA(ラピタ)が展開するブランド「アットレスキュー」から携帯トイレを取り上げました。

こちらの携帯トイレの大きな特徴は、袋の底に吸水シートが付いていること。
通常携帯トイレは便袋と凝固剤がセットになっていますが、こちらのトイレONEはそれらが一体化しています。

そのため、排せつ後に凝固剤を使う作業が不要になります。
そのまま袋を縛るだけで終了します。使用者の手間を省いてくれる作りになっています。
シートには蒸発をおさえる工夫がされているので、ニオイも気にならないようになっています。

パッケージにはシートが20枚入っており、少なめに感じますが、1枚につき3回使うことができます。

(2) Qbit 携帯トイレ

・参考価格 税込み2,850円(Amazon)
・便袋と凝固剤のセット
・凝固剤は抗菌・消臭効果あり、アルミパッケージで10年保存
・ポリエチレン手袋が付いているので、手を汚さず後処理
・パッケージはA4サイズで厚さ8.5cm。コンパクトな収納が可能

より清潔に使える手袋付き

国内や海外の商品を通販や実店舗に卸販売しているファンデクセルが販売する携帯トイレです。
オーソドックスな構成ながらも、充実した内容になっていると思います。

パッケージは収納のことを考えたA4サイズで、さらに使用回数と同じ分のポリエチレン手袋が付属しています。排せつ後は、手を汚さずに袋を処理できますね。

また抗菌と消臭作用を加えた凝固剤が用いられています。手堅い内容ではないでしょうか。

(3) 三陽トレーディング SANYO50

・参考価格 税込み4,950円(Amazon)
・便袋と凝固剤のセット
・抗菌凝固剤を使用。15年保存
・30回、80回用も取り扱っている

30回、80回用もあります

愛知県で輸入建材、フローリング、そして暮らしをサポートする商品販売を行う三陽トレーディングが販売している「SANYOシリーズ」です。

今回は50回用を取り上げましたが、30回、80回用とラインアップが豊富です。

また、使用している凝固剤は、特許庁で商標登録をした「デオ・グランデ凝固剤」を使用。
すぐれた抗菌・消臭性能を発揮しています。
合わせて皮膚への刺激性や、口にした時の毒性などの試験もされています。

凝固剤の性能を試験した動画(Youtube)も公開されており、信頼が置ける携帯トイレと言えるでしょう。

(4) MT-NET 緊急戦隊トイレマン

・参考価格 税込み4,620円(Amazon)
・便袋と凝固剤のセット
・凝固剤はアルミで密封、10年保存
・50回分や抗菌タイプもある

100回分でお得

防災用品を専用に扱うMT-NETが販売する携帯トイレセットです。
なかなか斬新なネーミングですが、インパクトがありますね。

さて、基本的なセット内容は他のメーカーのそれと変わりありません。
ただこちらは1パッケージが100回分になっていて、価格も抑えられております。

凝固剤の保存期間も10年と十分に長く、備蓄目的としてもお買い求めしやすいのではないでしょうか。
また、50回分のパッケージや抗菌凝固剤を用いた抗菌タイプもラインアップしています。

続いて、簡易トイレもご紹介します。
先の携帯トイレと合わせて使うことで、自宅ではない場所であっても、もしもの時に備えることができるでしょう。

(5) サンコー 簡易トイレ R-58

・参考価格 税込み1,775円(Amazon)
・プラスチック製のU字便座と段ボール製の本体セット
・縦31cm×横30cm×高さ35cmのコンパクト設計
・耐荷重は120kg

コンパクトながら120kgの耐荷重!

和歌山県海南市に本社を置く生活用品メーカー、株式会社サンコーの簡易トイレです。

こちらの製品は便座と段ボールという、とてもシンプルな構成になっています。
そのため、組み立ては簡単。またその耐荷重も120kgとなっており、大人が使っても問題ありません。

トイレはどこでもすぐに組み立てられるので、たとえば車に備えておくなど、色々な使い方ができると思います。袋や凝固剤は別に用意する必要があることを気に留めておいてください。

まとめです

今回は携帯トイレについてご紹介しました。

私たちは人間ですから、生きるためには水や食べ物が必要です。
食べ物を体に入れると、必要な栄養が吸収され、その残りが必ず出てきます。

ですので災害時には「出る」側の対策もしないといけないということになります。

私たちは、大きな災害を何度も経験してトイレの重要性を頭に入れるようになってきました。
しかし、まだまだ十分とは言えないと思います。

過去の震災では、避難所でのトイレの状況があまりにもひどかったという事実が多々あります。
そしてトイレに行くのを嫌がって無理に我慢した結果、体調を崩してしまったという話もあります。
この問題は、個人だけでなく町や市の行政レベルでも連携して策を取っていく必要があると思います。

トイレは英語でレストルーム(Rest Room)と言います。
Restは休息や安らぎ、安心という意味があります。
携帯トイレを備え、もしもの時にも安心できる場所を確保できるようにしていきましょう!

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